第29回東京国際映画祭にて。
ある日突然、夫から「第2夫人を迎えることに決めた」と言われたディアナの戸惑いと決断。
まず、先に結末から言ってしまうが、ディアナは、自分を尊重してくれない夫に怒りと失望を抱き、離婚を決意する。
この選択は、現代の日本に生きる男性であるわたしからすると、自然な選択にしか思えないわけだけども、監督によると、インドネシアにおいて、一夫多妻制はあまり問題とされておらず、語られること自体がまずないそうである。つまり、この映画は、インドネシアの現代社会の慣習に問いを投げかける映画であり、わたしにとって「自然」な選択の「自然さ」こそが、社会へのメッセージなのである。
しかしながら、どう考えてもメリットのない「第2夫人を迎える」という夫の選択に明確な理由がなく、夫の造形が弱く見えるのが難点である。結末ありきの映画とはいえ、もうちょっと夫の身勝手に肉付けがほしかった。