やっぱりカルカン

blank13のやっぱりカルカンのレビュー・感想・評価

blank13(2017年製作の映画)
2.8
自分の家もこの映画と全く同じ状況だった。美談と受け取った方もおられると思うが、子供の立場からすると自分の場合は「そうだったんだね。知らなかったよ、お父さんありがとう」とはならない。
自分を犠牲にして周りに尽くす人はたまに見かけるが総じて一番身近な家族は不幸になっている。

個人的には周りの人にどれだけ嫌われても、慕ってくれる友達が一人もいなくても、自分の家族だけは幸せにするのが良い父親だと思う。
自分は父親の死後に出てきた絵や手紙(映画の中では作文にあたるもの)をバサバサとゴミ袋に入れ捨ててしまった。人の心が無いのかもしれない。

冒頭に行われる火葬の説明が、具体的に何と紐付いていたのかが分からなかった。一時期、火(葬炉)ヲタだったので中々テレビではお目にかかれない操作盤など裏の映像には痺れた。言いたい事は伝わったが自分には合わなかった。

注目した点は主人公役の高橋一生。この人も複雑な家庭に生まれたため親と不仲で10年ほど距離を置いていたが、親の癌発覚から亡くなる一週間前に対面・和解・看取りをした過去がある。
そんな高橋一生が本作の主人公役を演じるという部分にグッとくるものがある。