ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で鑑賞。
齋藤工初長編監督作品ということもあり興味本位で鑑賞。
けっか、個人的にすごく好きな作品だった。
前半ータイトルバックー後半と、前半と後半でテイストがガラッと変わる演出。いまはやりなのかな。しかし、後半の葬式のシーンにはやられた。前半の伏線を少しずつ回収していく、参列者たちの言葉。この参列者たちのキャラが濃すぎてほんとにおもしろかった。しかも、村上淳さんの演技はすべてアドリブだったと聞き、齋藤工監督もいっていたが、まじで演技の異種格闘技戦だった。村上淳さんが手紙を読むシーンもわりとこの物語の核をついているセリフがあったが、あれもアドリブだったのか気になる。
前半の胸を締め付けられるシーンの連続と後半の異種格闘技戦。後半のゆるーいかんじもなんか、憎めなくって個人的に好きだった。この自由さは、ほんとにギャンブルで一歩間違えれば陳腐な映像になる気がするが、齋藤工監督の中で確固とした信念があったからあーいうかんじでしっかりまとまっているんだなと思った。参列者は、すごくしゃべるが、当事者の三人の台詞は極力削られている気がする。その演出も見事だった。
隣で盛大にやられている葬式との対比。人の価値は、他人からの客観視で成り立つのか。人の価値は何で決まるのか。考えさせられた。
次回作に期待。
個人的にラストのタバコのシーンがたまらなくジーンときた。