「不穏の正体に少しガッカリだけど」
ネタバレあり
作品序盤から漂う、彼女の実家の不穏な空気感はすごく作品に引き込んでくれる。
こいつら何考えてるんだろ？
何が目的？
その正体は少しSFチックな人体の交換だった。
それ自体は個人的にすごく好きなネタだけど、どうも不穏な空気感とミスマッチで、ちょっとあっけにとられてしまった。
どうしても作品の雰囲気から、古典的なオチを期待しがちな気がするが、良い意味で裏切られた人にはすごく面白く、私のように少し毛色の違いをオチに感じた人は残念に思うかも。
これは日本人には難しいことだけど、アメリカの黒人差別、人種差別を体感していないとどうしても作品の細かいこだわりやディテールがわからない。
この家の黒人たちはどこか変、と主人公が言うが、確かに変な雰囲気は伝わってくるけど、日常的に黒人たちとのつながりが薄いとそれもその程度しかわからない。
黒人がこんな服をチョイスするか？と主人公の友達が言うけど、人それぞれじゃないの？とか思ってしまう。
この辺りの「黒人とは」が分かるともっと楽しめるかもしれない。
なんだかんだか気になることは多いけど、最後まで作品に集中させてくれる脚本と演出、怪しい空気感は凄くいいと思う。
再度観賞。
オチや仕掛けを分かった上で観ると、細かいディティールや演出、演技の新たな面白さを感じれた。星3.5
