ヘアバンド侍

ゲット・アウトのヘアバンド侍のレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
4.0
好物のサイコホラー。
ヴィジットやインシディアスの空気感というか雰囲気が好きならまず間違いない作品。
映画を観て特にヴィジットが頭に浮かんだ。

黒人差別への批判が声高に叫ばれるこの時代では、黒人差別をジョークにするぐらいそのもの自体があり得ないぐらいの感覚になってきてる。日本でいう男尊女卑の時代から女性蔑視があり得ない現代への変遷と近いと思う。

まずとにかくそんな堅い映画では無いけど、この時代背景があってこそ、より不気味な映画になっていると思う。

主人公は黒人のクリス。彼は白人彼女の両親の家に挨拶に行く事になるんだけど、彼自身『俺が黒人って事家族に言わないでいいの?
』と彼女に尋ねる。彼女は人種なんてどうでもいいよと気にしない様子。しかし、彼女の実家には白人だらけ。やっと見つけた黒人仲間も何だか様子がおかしい。それ以前に白人達もかなりおかしい。

といったあらすじ。一応アメリカの年配の人には未だに黒人差別が残っている事もあるらしいからクリスはそれを気にした。『黒人差別』というものよりむしろ『黒人が欲しい』というより飛躍した考え方の様にも感じた。

凄く引き込まれる展開とクリスの親友のコメディパートは絶妙。ホラーの雰囲気は壊さず、人柄で笑わすタイプの良い塩梅。コメディアンが監督しているのもあって『面白くて気味の悪いホラー』に仕上がっている。