黒人監督が人種差別という重いテーマをコメディやホラーを通して描いた今作は、それだけでも意義があることなのだが、そうすることで、ホラー要素やコメディ要素がいかに大切かを逆説的に浮かび上がらせた作品だと言えるのでは。
黒人として差別されることの恐怖をここまで体感させてくれる映画は、初めてつくられたのでは?!
そしてここでいう差別心とは、決して黒人に限ったものでなく、何か場違いなところへ行った時に自分だけが浮いてしまった時のような疎外感であって、これは、他人事ではない人が持つ普遍的な差別意識を表していた。
そういった日常に潜む恐怖をホラーとして表現することは、素晴らしいと思う。
個人的に催眠にかかるシーンが素晴らしく、サウナの後水風呂に入ってから休憩している時に起こるサウナトランス状態をも思い起こさせる。