Yummyちゃん

ムーランのYummyちゃんのレビュー・感想・評価

ムーラン(2020年製作の映画)
4.9
ものすごくよかった。
小さな子供の頃に見たアニメ版ムーラン、プリンセス感のない絵のタッチ、ストーリーの難しさから序盤で寝てしまった記憶があり、見返すこともなく大人になりました。
そのため、アニメ版との比較もせず、ストーリーも知らないまま見たため、シンプルに感動し、久々に何度も泣ける映画でした。

私自信、趣味で行なっているヨガで、気の流れを感じることを少ながらず体感しているからかもしれませんが‥ストーリーの根底にある「気は万物全てに広がっている」という部分にもとても惹かれました。
戦いにおいて力の強さだけを武器にしないからこそ、女性が活躍できる可能性に現実味が出てくるように感じました。
女性の凛とした強さが題材の映画が好みという私の趣味もあるかもしれませんが、見た後に背筋が伸びて自分自身も気が強くなる錯覚に陥り、爽快な気分になれる映画でした。

ムーラン家の家族愛も素晴らしい。ムーランの父は、最初のシーンから気の読める本当に強い戦士だったことがうかがえ、娘の1番の理解者であることがわかる。しかし、女であり、そして"娘"ゆえ、幼いうちに「うちなる声を黙らせろ」とその強い気を鎮めるように、深い愛情を持って説得する。そのシーンの父と子役ムーランの演技も深くてとても良い。

恋愛の要素はわずかだが、入隊の登場時点から、絶対恋に落ちるやんと思われる戦友ホンフイ‥。ムーランへは男性として接しているにも関わらず配慮があり、恋心を抱かずにはいられないイケメン。本当にカッコいい。

皇帝も軍のお偉いさんも名ばかりではなく、心も身体も驚くほど強く、成るべくしてなった人というところも気持ちよかった。

悪役であるはずだった魔女、同じ女性であるムーランに肩入れし希望を託すあたりが切なすぎで‥悔しかった。

なにより、ムーランの澄んだ瞳に凛とした表情が美しすぎる。男性として在る時→女性への切り替えが絶妙。「待ってました!!」と大声で叫びたい衝動に駆られました!笑
強い女性の美しさ。大人になったからこそわかる、これぞプリンセス。同じ女性として憧れ、そして泣ける。見てよかったと心から思えた映画。

ムーランって実話でしたよね?
そこも、なんだか胸を打つ。

(気になる点があるとすると‥ムーランの曲で大好きな曲があるのですが、ほんの少ししか出てこないこと。あと、アクションが現実離れしすぎていて特に敵のアクションでややチープな印象を受ける部分があったのがほんの少し気になりました。)