YUMiC

ミュージアム 序章のYUMiCのレビュー・感想・評価

ミュージアム 序章(2016年製作の映画)
3.5
2017.07.09. @DVD

個人的欲求快楽を満たすための
無秩序であまりにも無惨で残酷な殺人鬼。
彼にとっては殺人ではなく
作品であり芸術。
それを美しいとする。
ただただ頭がイカれている。
エグく何も理解などできはしない。

でも常軌を逸した人の行動は
逆に何故か興味もわく。
動物的衝動でもはや人とは呼べない
彼の脳が理解出来なさすぎて
異次元のものを見るかの目で見る。
これは物語と思えるから
あえて見れるのだろうけど
そんな事すら思う自分にも
何かが潜んでいるのではと恐怖にも感じる。

そしてこういう気の狂った殺人鬼ほど
描いた映画だったり
実際にもそうだけど
必ずそこにはバックグラウンドがあって
心の闇がある。
人は必ずしも悪として生まれるわけではないと思う。
だからこそ彼らを殺人鬼にしてしまった
何かが彼らが生きた日常や関わった人たちに潜んでいる。
だからといって彼らを庇うつもりもないけど
悲しい人生だと思う。
彼らの歯車を変えることさえなければ
彼らは普通の人間でいれたかもしれない。
決して同情や哀れみなどではないけど
ただ元々頭がイカれたのではなく
彼らは元は人だったと思える。
何も許される訳ではないけど
表面だけでは見えない底知れないものが
この世にはたくさんあると、ふと思う。
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