ユウジ

不能犯のユウジのレビュー・感想・評価

不能犯(2018年製作の映画)
2.0
もしかしてこの作品、映像化するの相当難しいんじゃね…?

特別好きって訳ではないが最後まで読んだ漫画で、松坂桃主演とオリジナル要素に期待し視聴。
個人的には実写化作品は嫌いじゃないし、原作が正解なのだから、それを超える事はできないと思ってるので、比較してしまいつつも「悪くなかった」が終着点だと思っているのだが、この作品に関しては比にならないくらい漫画の方が面白いです。

一本の映画としてとても酷かった。
結構な俳優揃えたのにここまでB級に出来るの逆にすごい。
監督調べたらそっち系の人やんけ!土俵違いも良い所やん!原作読んでただけにガッカリだわ
いやまあ原作もそこまで面白いものちゃうんだけどさ、人間の奥底の浅ましさや醜さが露呈させられてからどん底に落とされる。という不能犯の面白さはまるで表現しきれてなかった。

個人的にキャラの性別や設定を変えたのがマジで許せてない。
台詞回しやモーションが一々キザすぎてくさいし抑揚がない。変に原作通りにするからオリジナル面が読めちゃって、予想通りの展開を待つだけになるのが退屈だった。
え!?俳優さんみんなこんな演技酷い人たちだったっけ!?と思う所が多々ある。

主演でいうと、沢尻さんと真剣佑さんが気になりました。
沢尻エリカの演技こんな酷かったっけか…?
もっとマシなイメージあったけど、声張り上げる時感情が乗ってなさすぎてキツかった。
台本読んでんなって節々思う。
熱量と力量が伴ってない気がした。
真剣佑さんは設定の割に落ち着いてた感じ。
「新人刑事」の演技。
特にこれといった活躍もなくオリジナル要素で退場していく。このキャラが原作にいたかも疑問。

松坂桃李さんが良かったです。
個人的にハマり役でした。

全体的に、演技のバランス(統一性)がおかしかった気がした。
それ故に、特定の人物の演技がすごく浮いて見えた。

映画の構成も気になる点は多々あり。
原作の特徴ある回セレクション+オリジナル
そのセレクションされた回も一応原作通りではあるもののキャラの色が見えたり、オリジナルに響いてくる訳でもなく、人が死ぬのがオチなのでオムニバス風味になってしまう為、何故その回を選んだか分からないし、およそ1時間半それに費やす位なら丸々原作通りにするか、潔くオリジナル要素色濃くしても良かったんじゃないかと。
およそ4つの事柄に分けられ内1つがオリジナルで4つ目にあたる。
それまで3つの事柄のテーマや起承転結が似てる上に、「こういうパターンでいきますよ〜!」と教えられるのでオリジナルの盛り上がらなきゃいけないところが白けるし冷めちゃう。まあそうだよねって。
その、オリジナル要素もまあ気になる点多々あるのなんのって。
やってる事の重大さの割に動機が弱いく、なので感情移入ができないのよ。見えてるオチに向かってるのがまた辛い。

宇相吹による洗脳シーンの漫画的技法がうまく表現されてなかったかな。思い込みという主観がものをいう作品なのに、基本第三者目線なので、人がおかしくなっちゃった様を見てるだけになる。その様は滑稽でもっと表現分けすればよかったのにと。にも関わらず、爆弾で死なす時は爆弾もあるし爆発もあるし爆弾に巻き込まれたよう死体になってるしで、本当に爆弾はあったんじゃないかと疑った。
しかし、現実的なリスカや首切、嘔吐等はしっかり映像に残す、とても不快な映画でした。グロはキツい…!!!
原作完結時じゃなかったからか投げやりエンド。

ここまで来ると映画にしようとか言い出した人を恨むレベルでした。
ユウジ

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