iD

咲 SakiのiDのレビュー・感想・評価

咲 Saki(2016年製作の映画)
3.7
漫画、アニメ共に鑑賞した大好きな作品です。

漫画原作のアニメが実写化される際、私が気にするのはただ一つ「原作を用いて面白い映像を作れているか?」という点のみです。漫画の設定をいくら改編しても、コスプレショーのようになっても、その作品が面白いものになってさえいれば基本的に何をどう原作をいじってもよいと(私は)思っています。それがいくら大好きな作品であろうとも、もうどんどん改編してくれよというスタンスです。

しかし...、この「咲」の実写化はとにかく原作に忠実な画作りが成されています。『原村和』役にスパガの浅川梨奈、『片岡優希』役にエビ中の廣田、風越の『池田』役に武田玲奈...など、「胸・声・猫っぽさ」といったキャラが持つ特徴に合わせた見事な配役が成されています。
物語の方も、(原作では割とさらっと流されたていた風越の福路の開眼になんだか過剰な演出が成されていたこと以外)原作を映画の尺に縮小した程度で物語の内容全くそのままに再現されています。

そのように原作の忠実な再現による、原作へのリスペクトがすごく感じられる映画ではあったのですが、「原作そのまま」であることが逆に物足りなさを感じさせる原因にもなっていました。原作では、勝敗が決まった時の一喜一憂のようなものがあまりなくサクサク進んでいく印象があるのですが、映画では清澄が優勝を決めた瞬間の感動を、1本の映画のラストとしてもっと高めるような工夫を行って欲しかったな、と感じました。
iD

iD