かざみ

LIVE FOR TODAY 天龍源一郎のかざみのレビュー・感想・評価

LIVE FOR TODAY 天龍源一郎(2016年製作の映画)
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プロレスラー天龍源一郎65歳。
彼が引退を表明してから、実際に現役最後のリングに上がるまでのドキュメンタリー。

ミスタープロレスの異名をとり、ジャイアント馬場とアントニオ猪木の両名から3カウントを奪ったことのある唯一のレスラー。
お茶の間には「バラエティ番組に登場する聞き取りにくい声オッさん」くらいの認識かもしれないし、僕がプロレスに興味を持ったころには遠に全盛期を過ぎたベテラン選手でありました。

いや、めちゃくちゃ格好いいなおい!
大相撲時代から50年に渡って酷使されてきた身体はボロボロだし、年齢によって衰えている部分もある。そんな中ですら、引退ロードとして挑む試合全てに全力でぶつかっていく。

そんな姿にも心打たれるが、何よりも引退を前にした彼と対峙する相手選手たちから、天龍源一郎というレスラーの人柄が見える。
デビュー間もない10代の選手から、共に時代を生きてきた盟友、先に引退した名レスラー、果ては現役最高齢の選手まで。国内外問わずプロレスに携わる全ての人間から天龍への強いリスペクトがうかがえる。これこそ彼が生きてきた人生の証明だろうと感じた。

そして、そんな彼が、正真正銘最後の試合の相手に選んだ選手とは・・・
「あの人は時代と闘って終わろうとしている。その"時代"が俺じゃないのが悔しい。」と語った鈴木みのる選手の表情が印象的。

映画としての評価はしません。
プロレスが好きな人しか観ない映画だろうし、好きでないとわからない要素もある。でも、そうでない人が観てもきっと意味のある映画だと思います。
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