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亜人のsのレビュー・感想・評価

亜人(2017年製作の映画)
5.0
先に前置きしておくと、私は原作を3〜4年前から愛読している。そして実写化の話を耳にして、近年の実写化のロークオリティには呆れがちだった私には間違いなくそれは悲報でしかなかった。だがしかし、メインキャストが発表され安堵した。ジャニーズや某若手俳優たちを主演に置けばいい、という人選ではないことに、本広監督の本気を感じた。更に私は綾野剛氏のファンだ。好きな俳優が凶悪犯の役だなんてこれ以上興奮する映画はない。更にもう一つ。主題歌を歌うTHE ORAL CIGARETTESも私は大好きだ。つまり大好きな漫画の実写化に、熱をあげている綾野剛氏が出ていて、その上更に主題歌は愛しているバンド。これ以上生きてて興奮して、嬉し泣きした日はない。

前置きが長くなってしまったが、映画自身の出来を言うとハイクオリティ以外の言葉がない。まず、アクションはさすが、主演の佐藤健氏が「見た事のあるアクションは一秒もいらない」と豪語していたこともあり、目を一秒たりとも離せない、息を呑むレベルだった。黒い幽霊が一貫して黒い幽霊としか呼称されず、IBMの説明は欲しいところだった。パンフレットに突然IBMなんて単語が出てきても、わからない人は困るんじゃないか...?

綾野剛氏、圧巻のヒール役。彼はこの映画において"キモかっこいい"という新たなジャンルを確立したように思う。悪役としての気持ち悪さは全開なのに、その全開さ故にそれがかっこよく見えてくるのだ。全くもって彼はずるい俳優だ。スクリーンの中には、確かに亜人テロリストの佐藤が存在していた。

エンドロールでオーラルのBLACK MEMORYが大音量で流れたことに、感極まって涙が出た。初の映画主題歌、彼らは見事にやり切ったのだ、と一ファンとして嬉しくなった。映画を観たあとだからこそ、自信を持って発言できる。間違いなくこの映画の主題歌は彼らにしかできなかったのだ、と。
時間があれば4DもしくはIMAXでまた鑑賞したい。円盤も絶対に買う決意をした。
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