toshi

光のtoshiのネタバレレビュー・内容・結末

(2017年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

●全体
・視覚障害者の方の大変さや辛さは勿論のこと、音声ガイドの仕事を通じて彼らに寄り添うことの難しさを感じた。理解しようと思う余り、恩着せがましくなるということがどうしてもあると思う。そのように、単に視覚障害者だけにフォーカスを当てずに一般人にもフォーカスを当てていることが感情移入しやすく、良かったと思う。
・視覚障害者を表現するのに、完全に視力を失っている人ではなく、視力を一部残している人を主人公としたことにオリジナリティを感じた。
・永瀬正敏の演技が特に素晴らしい。声が渋い。
・セリフや人物の背景に対する説明等も少なく、分かりづらさもあったが、ドラマであるような嘘くさい自分語りみたいなものはこの作品には馴染まないし不要だと思うので、個人的には良かった。
●映像
・光の描写は言うまでもなく素晴らしい。
・手持ちカメラによる撮影によってドキュメンタリー風な印象があり、リアリティがあって作品の雰囲気と合っていた。こういう空気が出せるのは河瀬直美くらいだと思う。ただし、登場人物がアップで写っているシーンが多く、もう少し映像に変化があればより引き込まれたような気がする。
・河瀬直美作品では必ずといっていいほど出てくる山や木々の映像は美しくてとても良かった。一方、今回の作品では自然に関することはテーマとは異なると思われるので、若干蛇足感があった。
●その他
・樹木希林の音声ガイドは良かったと思うが、声に特徴があり、少し聞いただけで樹木希林の声だと分かり、内容が入ってきづらかった。樹木希林を使うことでインパクトを与えたかったのかもしれないが、音声ガイドの内容を聞かせるという意味では逆効果なのでは、と思った。
・焼きそばを食べるシーン、あの流れから何故一緒に食事をすることになるのか謎。
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