Kanan

gifted/ギフテッドのKananのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
4.0
恵比寿ガーデンプレイスのピクニックシネマにて鑑賞。野外シネマのアットホームな雰囲気にぴったりな作品でした。

天才的な数学の能力があるメアリーと、姉の子供メアリーを才能があっても普通の子と同じように育てたいフランクの日常と葛藤の物語。

メアリーを演じるマッケンナ・グレイスがとっても可愛らしくて、天才的な面を演じるときのこましゃくれた感じも、フランクといるときの素直に笑ったり怒ったりするところも見事に演じていました。

子供は自分で環境を選べないから、周りが思う最適な環境ではなく、彼女が何を望んでいるのかを汲み取ってあげなきゃならない。それは才能があるとかないとか関係なく。全ての子供に等しくあるべきなんだろうな。
フランクと過ごすメアリーの幸せそうな姿にそう感じました。

クリス・エヴァンス演じるフランクも、メアリーの才能ゆえにそれを伸ばしたいと考える祖母との対立で葛藤を続けながら子育てをしている。でも裁判を通して自分にとってのメアリーの存在の大きさ、そしてメアリーにとっての普通の生活の中で育まれる関係や感情の大切さというのを再確認できたのだと思います。

作中で描かれた場面で特に好きなのは実の父の事で悲しむメアリーに、病院の待合室で他所の家族が出産の報告に喜ぶ瞬間に立ち合わせるというシーン。どんな子供でも等しく祝福されて産まれてくるのだと実感してもらうにはこれ以上ない場面だと思います。
知人ではない家族に混ざって赤ちゃんの誕生を喜ぶメアリーは本当に幸せそうで、フランクの育て方本当に素敵です。学校で作品を壊された同級生の為に怒れるメアリーを讃えたりするのもそう。暴力だからってそれだけが悪じゃない。作品は壊されたけど素晴らしかったって、伝えてあげられるメアリーは優しいし、愛情と優しさを注がれて育っている証拠なんじゃないかな。

メアリー本人に知識欲や向上心があるのも見えるので才能を活かしてあげたいという気持ちも分からなくはないから、それも潰さない形で物語がまとまってくれて良かったです。

色々と考えさせられ作品ではあるけど、最後には暖かい気持ちになれました。
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