シネフィル母ちゃん

欲しがる女のシネフィル母ちゃんのレビュー・感想・評価

欲しがる女(2016年製作の映画)
4.8
もういい年なのに、過去の美しくチヤホヤされていた頃の自分に囚われて、なかなか現実を受け入れられない痛い40歳女性のお話。
でもこれがめちゃめちゃ傑作でね。。

悲壮感指数メーターなんてのがあったら、そりゃもうメーターは振り切れまくりでしょう!!
でも、フランス映画なだけあってジメッとしているというよりは、少しカラッとしていてオシャレな仕上がりになってるのも凄い。


私は綺麗なのに!
私が1番だったのに!
こんな魅力のある私より他の女の方が良いなんて嘘でしょ?
と、過去を嘆いてばかりで今を受け入れられず、挙句の果てには他人に八つ当たりをしてしまう主人公。
「惨めにも程があるよ…」って、こっちの心がめげてしまうくらいのダサさ。
おっさんが「俺は昔モテてたんだぜ」って自慢するのとは大違い。
こっちはもう真剣そのものだし、嫉妬と劣等感でそりゃもう己のプライドをかけての戦いよ。
あぁ、痛い…年月には逆らえないのに。

ヤング≒アダルトのシャーリーズ・セロンのフランス版女性って感じかな。
でも、シャーリーズ・セロンより心は強いかと笑!
だって…ねぇ……(震え声)
ヤング≒アダルトは、ラストで主人公に涙するけれど、この作品は涙なんて流せない。
涙流す代わりに顎が外れるね…!
でも、ちょっとニヤリとしてしまった自分が居たこともこわい😭😭


私は、10代20代の頃にチヤホヤされたことなんてないから主人公の感情は他人事として見てたけれど(あれ?わたし今、とても悲しいこと言ってない?)、若い時にチヤホヤされていた女性なら他人事ではないのでは?
あぁ、女って欲張りね。
そして時は残酷ね。

そして、こんなラストをあっさりと描くのもフランスっぽい!
こういうフランスらしさが大好き!!!
ジュテーム!ジュテームゥゥウウウ!!!!!

もう一度観たいけれど精神力をかなり使うので、2回目の鑑賞は数年先かな。
でも、その頃には主人公と年齢近くなるし、主人公の劣等感にのみこまれてエンドロール流れる頃には屍になってしまうかも😭😭
DVD欲しいな。