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クローバーフィールド・パラドックスのpenのレビュー・感想・評価

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宇宙船を舞台にした密室空間スリラーというと自分は『エイリアン』シリーズをやっぱり思い出してしまうのだが、最近のシリーズ(『プロメテウス』『エイリアン:コヴェナント』)で個人的にツボだった宇宙船内のデザインの良さが本作にもあって、同じスタッフが関わってるのかは分からないけど思わぬ収穫という感じだった。
その船内を船員達が混乱して必死に円筒型の通路を全力疾走する姿に、お約束めいた要素を感じつつ一定の満足感を得る。

ストーリーは先述した『エイリアン』のような不穏さを感じさせながら、多元宇宙の存在を仄めかすような物語が展開し、優れたSF短編小説を予算を掛けて映像化したような印象を受けた。突如として生まれた不条理な空間の中で、そこにいる人間達をひたすら酷い目に遭わせるという精神は一貫していて潔い。
SFスリラー一辺倒という訳でもなく、家族愛の要素も入れてきて、泣きの面も適度に押さえてる。そういう意味では案外、夜に家族で観られる映画なのかも。

本作は『クローバーフィールド』シリーズの1つだ。ここまで書いといて何だけど、前二作のファン(更に焦点を絞ると1作目のファン)はどう感じたんだろうと思わなくもない。
とはいえ自分は大興奮とまではいかないものの、落胆することもなく、丁度良く纏まった感じがして、適度に好き。
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