このレビューはネタバレを含みます
「あの子はそんな復讐、望んでない!」
といった復讐者に向けての主人公だったりの台詞が嫌いな人間も受け入れられる結末。
タイトルで気になっていた作品でした。
もっと良いタイトルをつけてよ〜 と思いつつも、原題の『Daddy's Litttle Girl』だと万が一あらすじも読まずに観てしまった人がショックを受けたりするかもしれないから…という対策なのかな…わからんけど…
でもそれにしてももうちょっと無かったのかな!?
犯人に復讐を、というあらすじを読んで、犯人が複数居ていろんな拷問を仕掛けながら復讐していくのかな…と思っていたら、まさかのひとり…
そのひとりを何日もかけて拷問する… という、予想と違う展開にドキドキしてしまった
娘が死んだ後に抜け殻のようになっていた父が、復讐という目的を持った瞬間に活き活きとしはじめるのがしんどい
これが自分の使命だと、愛しい娘や他の子どもたちのために、と思ったんだと思うと…
あの日記を渡してしまえば…とも思ったけれど、残酷な殺し方の日記を読まされるともう…
エンドロール中に流れるさまざまな事件の判決についても、嘘でしょ… と愕然としてしまう
どうしてそんなことをしてそれで済んでしまうのか
度々現れるジョージアの幻影に切なくなる。
冒頭でも書いたけれど、いろんな作品で見られる「あの子はそんな復讐、望んでない!」というようなセリフが嫌いで「お前に何が分かるんだ!」と復讐者の味方をしてしまう人間なのだけれど、
この作品では、この父は、本当はジョージアは弟を殺すことなんて望まないだろうとは思っていて葛藤していたのかな…と感じて切ない
最後、とどめの一撃を振りかぶった瞬間によぎるのは、ジョージアが大好きだった海で一緒に遊んだ輝く思い出。
これはジョージアが「お父さんに殺人者になってほしくない」と、父を守ったようにも思えて泣いてしまった。
映像も、あまりにも美しくて。
警察が地下に降りてくるときも、ジョージアはすぐ近くで見守ってくれているんだよね…
「果てしなく愛してる」
その思いはジョージアも一緒で、だからこそ最後の境界線は引き留めるという愛を父親に届けたのかもしれない