FutoshiAsai

散歩する侵略者のFutoshiAsaiのレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
4.5
※個人的バイアスが相当です。そして、「予兆〜」鑑賞後に書こうと思い遅くなりました。

黒沢清監督がSFをという事で、
軽い気持ちで鑑賞したが凄まじく打ちのめされた。

まず、2017にこの質感の邦画SFが見れることに驚き、本作は黒沢清監督感が少し薄まってるとも言われているが、確実に
現行、黒沢清監督にしか撮れない映画でもあると思った。

その時点で個人的にもうベスト。


日常の中で起こる侵略
まさにウルトラセブン 。
(古くはボディ・スナッチャー/恐怖の街(56)。)

私の趣味嗜好の原点にあるコンテンツが「ウルトラセブン 」があるという事を再度、認識させてくれた本作。

本作初見後、セブン全話(12話除く)を一気見したが、質感は完全に一致。
狙われた街(8話)やダーク・ゾーン(6話)の質感。
本作のタイトルも
散歩する惑星(32話)+侵略する死者たち(33話)
ガジェットも宇宙と交信するやつとか、そんな雰囲気。

原作者かつ劇団イキウメ代表の
前川知大さんもしっかりその文脈を経た上での原作・舞台との事で、間違いないなと。

また、セブン以外にも
カーペンター作品等々の文脈もしっかり感じられ、抜かりがない。


映画の内容としては、
松田龍平・長澤まさみ軸と
長谷川博己軸の2本で進むので、
非常に飽きずに見やすい。

万人ウケするかと言われると、
難しいところだが、
それこそ役者陣の演技が全員強力で
かなり大衆向けに落とし込まれているので、見ずに煙たがるのは損かと。

昨今の侵略SFは
ハリウッド製のビッグバジェット映画で溢れかえっている中で(別に嫌いではない)
侵略SFを日本で撮るならコレ!
という"現行の決定版"が出来てしまったなと。



個人的には、完全にクラシックになりそうです。
FutoshiAsai

FutoshiAsai