OCHANG

散歩する侵略者のOCHANGのレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
4.0
クリーピーのときもそうだったけど原作物でも自分の作家性を発揮できる作品を選んでくるのが上手いなあ。概念を奪う描写なんてセルフパロディ的な趣も感じるし。ラストの逆説的に願いが叶うあたりもらしいところだった。
キャスト陣が絶妙。長澤まさみの濃い演技は無機質な世界観の中で上手く浮いている。すごく「人間的」。長谷川博己がターミネーター走りするところは胡散臭くてなんか笑っちゃう。宇宙人の若手二人の素人感は毎度絶妙な黒沢節。ちょい役だけど存在感を発揮する過去作品の出演者も良いアクセント(キョンキョンはなぜかハイロー感あった)だけど一番はやっぱり松田龍平だね。飄々とした芝居からのクライマックスののたうち回る時の絶妙な加減は彼の役者としての真価を見た気がする。黒沢組的な演技をするからもっと黒沢清色の強い作品でも見てみたいです。