ケチャこKechaco

ラマになった王様のケチャこKechacoのネタバレレビュー・内容・結末

ラマになった王様(2000年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

全体的にテンポがよくて面白かった!トイストーリー2に近いノリの良さがある。

人間の時のクスコ、わがままで傍若無人だけど魅力的な人物であることが序盤のシーンからしっかりわかる。
パチャの村をクスコリゾートにするのも、『貧乏な国民の暮らす場所を権力者が奪う』というよくある話の一つなんだけど、荒唐無稽な方に突き抜けてて、逆にこの手の話にありがちな生々しさとか不快さを感じなくて話にスッと入り込めた。
先々重要になりそうな伏線を引っ張らずすぐにパッと回収していくのが気持ちいい。
クスコとパチャの友情も、チャパが凍えるクスコに自分の服をあげたことをきっかけに次の日会話が生まれ、何気ないやり取りや積み重ねが発展してゆき……みたいな感じでいつのまにか確固たる友情になっていくさまがとても丁寧な描かれ方をしていてよかった。
あとパチャの人間性もとってもいいね!善人なんだけどそれだけじゃなく芯を強く持ってるところがいいというか。

ディズニーアニメは毎回シーン毎のキャラの心情に沿って印象深い背景美術や色使いを魅せるのがうまいんだけど、今回の作品もまず序盤からめちゃくちゃ高い場所にある城や切り立った山岳地帯を印象深く見せておいて、展開が進むとキャラクターたちがその世界を縦横無尽に動き回るのがアニメーション的にうまいなと思った。
(クスコがジャングルで黒豹たちに襲われ、それをチャパが助けるシーンだったり、その後谷底に落ちていくシーンなど。クライマックスで高低差のある城を駆け回るシーンも)
地形を活かしたキャラクターの動きの魅せ方が見事。

イズマたちが城に先回りした理由がはしょられてたのはめちゃくちゃ笑った。
クロンクはバカなようでダイナーっぽい店のシェフをやりきったり、子供への面倒見がよかったり最後に動物語の先生になってて笑った。
猫イズマが生徒の一人になってるのも含め
(彼女の一番いい着地点だと思う)
ダイナーっぽい店のシーンでチャパがダンゴムシを美味しそうに食べるけど、あれ映画のモデルになった地域の人たちは虫も普通に食べるんだろうかとなんとなく思ってしみじみした。
あと猫になったイズマがめちゃくちゃかわいくてぬいぐるみがほしい。ググったけどないっぽくてつらい。
ちいかわのモモンガがかわいこぶらなかったらあんな感じなのかなと個人的に思う。
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