ヴィラン誕生物語としてはやはり『ジョーカー』が思い起こされるが、仲間も愛もない圧倒的絶望と困窮から反動として「対社会」化したジョーカーに対し、仲間も巻き込みながらあくまで「対個人」の強い原動力を持って立ち向かうクルエラは少し違うかと思いつつ、ところで本作の結論としていわゆるヴィランは誕生したかというとまだな気がする。ということで続編にも期待。
とにかく、ジョーカーが思い起こされた “anti social” 感は、実際の闘争の対象というよりはファッションや音楽から醸される広義ファッション的な反骨であり、まさしく舞台としてのUKらしさであり、あれこれ考えずともそれらを浴びてビンビンと湧き上がる衝動が気持ち良い作品。
