BT248

クルエラのBT248のレビュー・感想・評価

クルエラ(2021年製作の映画)
3.4
子犬の毛皮をはいでコートにしようなんて奴がどう美化されようと善人にはなれないだろ、という部分を丸っと捨てて今の時代に合わせたキャラにしたのはいさぎが良くてよいです。

しかし、じゃあなんでヴィランなの?っていう理由がどうしても複雑になってしまったから、ちょっと説明するのにも時間がかかってしまっている。それは仕方ないですけどね。

ただ、その部分を払拭するために派手なカメラワークや音楽使いを盛り合わせた演出をしているけれど、その演出がそれ以上の意味を持たないので結局グダっている。というのが前半。

ノリノリの音楽に俯瞰で道路を横切るキャラを追うなら、「だが、これが終わりの始まりであるとは、彼女は知る由もないのであった...」みたいな感じなのを暗示してるのかなと思いきや全然そういうのではなくてただ「良い感じ」で撮ってるだけだったりするのが、二個目の動機部分がでてくるまでずっと続くから、ちょっと退屈に感じてしまいます。

けど、そのちゃんとした説明の甲斐もあって後半が面白いのが大きな評価ポイントです。とてもいい感じ。最後のクルエラ転結がとてもいい感じ。
あの悪カッケー雰囲気はどこかジョーカーと似てるけど、クルエラが憎かったり執着するのは社会とか権力ではなく個人であるので、そこはジョーカーよりライトな感じで他人事として客観視できてとして楽しめる部分なのかなと思います。
(客観視できてしまうっていうのは裏を返せば感情移入しづらいということですが、まそこは娯楽映画というくくりでまとめて良いんではないかと。)

あとは俳優がみんないいですね。何といってもエマストーンが「わざとらしさをわざと出す」っていうので上手く演じ切っていると思います。唯一無二な感じです。

犬のCGに感しては、後半にかけて落ち着いてきた感じなのか目が慣れてしまったのかわかりませんが、トップクラスな出来栄えだと思います。ただ前半では犬の自然なしぐさがわざとらしかったり、誇張表現が浮いていました。やはりどこか操り人形な部分があって、犬が持つ瞳の奥の可愛さっていうところまで表現できていない気がします。とはいえ私には到底マネできない最高峰の出来栄えです。


ホーレスとジャスパーの扱いが結局キャラ的にも雑でかわいそう。
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