やっぱりカルカン

ピーターラビットのやっぱりカルカンのレビュー・感想・評価

ピーターラビット(2018年製作の映画)
3.2
マグレガーさんとウサギがとにかくいがみ合っている映画だった。マグレガー爺さんは言わずもがな、見かければ確実に殺そうとしてくるし(お父さんのパイで実績1)
最初は常識人かな?と思ったビアもちょっと癖のある人で、ふとした事ですぐ自分の考えを曲げてしまう気分屋。マグレガー兄さんもカッとなって頭に血がのぼると何をしでかすか分からない。マグレガー家は代々猟奇的な家系なのか?

序盤はウサギと人間の躍動感あふれるバトルシーンばかりで疲れてしまう。全然笑えない。この気持ちは何と説明したらいいのか… 見ていて少し悲しくなってしまった。
戦争と形容している人がいたが、お互いを徹底的に憎み合っている者同士のバトルでも戦争・スパイ・殺し屋系の映画は面白いのになんでこれは悲しくなってしまうのか?

自分は動物が好きでウサギは特に好きだからかもしれないが、見た目は可愛いのに、キャラクターの嫌なクセ・ストーリー・バトルシーンでの戦法など、色々な要素がブラックすぎたせいかもしれない。
子供にとっては面白いのかな?でも少々過激すぎると思うから小さいうちにはあんまり見せたくないかも。時々差し込まれるジョークはちょっと笑える。終盤は良かったので、終盤にかけての展開をもうちょっと5分10分ぐらい引き伸ばしてくれてもよかったかな。

アナフィラキシーの場面が物議を醸し、食物アレルギーに苦しむ人々からの批判を受け、ソニー・ピクチャーズが謝罪した事もあったようだが、これだけウサギがリアルだと動物愛護団体に何か言われるんじゃないかと心配になるぐらい動きも見た目も本物のウサギっぽかった。

ちなみにネコは3階建て・5階建てのビルから飛び降りてもピンピンしてる場合があったらしいけど、ウサギは抱っこしていて暴れて、1回地面に落としただけで骨折などの怪我をして死んじゃう事もあるぐらい骨が弱い動物だから、良い子のお友達は本物のウサギを絶対に高い所から落とさないでね。

この映画、どこをターゲット層にしてるんだろう。うーん…マグレガー兄さんとピーターラビットは別として、やっぱり動物好きと動物嫌いは永遠に分かり合えない。混ぜるな危険。悲しい現実を突きつけられるような、ちょっと切ない映画でした。