後半は面白かったけど、個人的にはイマイチ。
テンポが合わなかったのもあるけど、もうちょっと緊迫感やその事柄をきめ細かく描いて欲しかった物足りなさを感じて残念だった。
この作品の物語を描くテンポの緩さは、ここ数作の是枝作品だったら全然合っていて良いと思う。
「三度目の殺人」でも、ここ数作に通ずるテンポでの描き方に感じたので、これだとユルいと言うか、ヌルいというか...。
自分の好みの問題もあるけども、ちょっと微妙でしかなかった。
正直な所、前半は途中で劇場出たくなる位に退屈した。
そんな中で市川実日子と橋爪功が出て来た所はとても面白かったな。
市川さんは期待通り、橋爪さんは思わず笑えたりしたので楽しめた。
時間が流れて行く中で、物語に起伏があまり感じられなかった事もあり、途中にこれならテレビドラマでも充分なんじゃないかと思ったりもした。
でも後半は物語が面白くなって行ったので、そういう気持ちはなくなって良かったけど。
法廷が舞台の場として多くなる後半は観応えあって面白かった。
お互いそれぞれの思惑や駆け引きの中で 浮き彫りになる立場から決まるその決定には、言葉を失うしかなかった。
福山雅治と役所広司の演技は絶対的な存在感を感じられる反面、でもなんかお互い普段のそのまんま感がちょっと強過ぎたような気がした。
良くも悪くもなんだよな。
最後近くの物語の中で語られるそのシーンの撮り方はいつもなら凄くグッと来る所なのに、今回は何故か心が動かなかった。
良い場面であるのは理屈では分かるんだけどね。
ちょっと残念だった。
この作品は勿論面白い所もあるし、そんな悪い映画でもない。
でも物語の起伏とそこで感じられるきめ細やかな感情の揺らぎが、もっと感じられたら良かったのになというのはある。
期待し過ぎたのか、今回は思ってた程ではなかった。
是枝監督の次回作に期待したいと思います。
