このレビューはネタバレを含みます
一見すると、何一つ不自由なく幸せに暮らす女子高生の聡子。多感さが災いし摂食障害を患ってしまうが、訪れたクリニックの患者であるマキに出会い、考え方が変わっていく。
終盤、聡子がカウンセラーへ穏やかな口調で語る言葉が印象的だった。
「昔は、自分にないもの、なくなったものを数えていた」
「今は、それでも残ったもの、自分にあるものを数えている」
考え方ひとつ変わると、世界の見え方も変わる。
聡子にそれを気づかせるきっかけを作ったマキだが、聡子が元気になるにつれ、自身は堕ちていく様がなんとも皮肉。
「曇りのときに覗く晴れ間っていいよね」
「明日は晴れるといいな」
マキは、聡子だけでなく自分にも言い聞かせていたのだろう。