いずみ

ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれたのいずみのレビュー・感想・評価

3.6
彼は元々”ダメな僕”ではない。立派に働き、一人の女性を愛する”普通の男”である。
事件後、犯人を捕まえるのに貢献したジェフは世間から”英雄”視されるようになるが本人はそんなこと一ミリたりとも思っちゃいない。
彼に残ったものは自分の肉体の一部を失った喪失感と虚無感から来る果てしない絶望である。
そんな中、彼が英雄視されるのをいいことに世間の注目を彼に浴びさせようとする彼の家族(主に母親)からの精神的虐待はジェフをさらに苦しめることになる。母親が彼のリハビリの様子をSNSで晒すシーンは本当に胸糞悪かった。
ジェフは”ダメな僕”ではなく、本来一番の支えになってくれるはずの家族によって”ダメにされた僕”なのだ。
物語の終盤ジェフはある場所で自分が様々な人の支えになっていたことを知り一応完全復活するのだが、彼はそこで「俺は本当に英雄だったんだ」なんて思ったのか?彼はそんな傲慢な男だったのか?そんな風には私は決して思わない。
「ダメな僕だから英雄になれた」これは誰の思いでありコトバなのか。
ジェフでも登場人物の誰でもない、この副題をつけた”あなた”だ。
本当にこの映画を見たんですか?あらすじだけパッと見て決めたんですか?

さらっと感想
ジェフが一番感情をむき出しにするシーンで泣いた。
2つ隣のおじさまも泣いてらした。
いずみ

いずみ