なんでこんなに嘘だらけの世界で塗りたくられているのに、「本当」を感じなければならないんだろう
映画だからフィクションで良いよ、って思うのに心に触れてしまう感覚を覚えるとそこが気になって仕方ない
触れたいなぁって思ってまた探って火傷しちゃって痛いなぁって
嘘であって欲しいって思うし
まぁ嘘だよね、嘘嘘、フィクションだからって何度も観ながら唱えていたけど、
やだなぁ。参ったなぁ。そこに映るのがどうしても愛がある気がして。嘘なのに嘘であって欲しくないなぁって思ってしまってて。
この監督と俳優の関係性には誰も入れなくて、解れなくて、そっとしておきたいのが山々なんだけど。
溢れてるから、漏れ出してるから、隠せてないから
きっと僕たちは心動かされてしまうんだな
今の時代、皆んな沢山の小さな嘘で心に呼吸をさせてないから
自分自身で上手く呼吸をさせてあげれないから、
演技を観て自分に置き換え消化させたりしてるのかもしれない。
それっぽい演技を観た時の興醒めたるや。
ふざけんじゃねぇよ!って思う時もあるし
役としてじゃなくとも心が丸裸になった人間を観た時は
自分の心が呼吸してブルブル震えてる
俳優はきっとこの先もどんどん増えるだろうし、プロダクションの人はあらかじめこの映画を志望者に見せてからオーディションをしてもらったら良いんじゃないかな。
最初のうちはくだらない餌をばら撒くけど
正直、まったく気が抜けない映画だった。
ギラギラしてた。
でもエンディングの松本ファイターの学生時代のカットはすこぶる愛だった。