駄猫

仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦の駄猫のレビュー・感想・評価

1.0
う〜ん、脚本もヒドいけど監督のテキトー具合も目に余るシロモノだったかな。

冒頭はなぜか韓国。いきなりゲームのキャラ現実に現れ、攻撃を始めて大惨事になるのだが、そんな状況で出撃までのんびり仲間内ふざけ合いをするヒーローの姿にうんざり。いやいや、街が攻撃されて一般人たちが逃げ惑っているんですよ。そこはヒーローなら緊急出動でしょ、スクランブルでしょ。未確認の敵でラッキー、ワクワクするからラッキー、って、バカかw

子供向け映画だからこそ、ちゃんと真剣になるべき部分を描かないといかんと思うんだけどね。

御都合主義、場当たりな展開、などなどはもう別に良いんだけどさ、いい加減、登場ヒーロー数を増やせるからって昭和ライダーをかませ犬のように扱うのはやめて欲しいよね。
敵キャラをちゃんと考えれば済むこと何だからさ。

それと会話場面の演出もテキトーなのが多くて役者の下手っぷりが際立ってみえたのもがっかりだった。別に演技の質は求めないけど、せめて監督は総合的な演出や編集でその辺りに工夫してくれないと。

工夫が足りないのはアクションシーンも一緒。
わざわざチームでのバトルが設定されているのにことごとく一対一にしか描かないから、チームプレイの妙が一切なし。
だから乱闘戦、タイマン勝負、の変化がなくて、ズ〜っと一辺倒。
変にカメラが動いて見辛かったり、バトルに置いてのキャラ立ちも少ないから、ワンカメ移動でのアクションシーンも唐突にあったりするけど、効果ゼロ。

シリアスな部分とユーモラスな部分の噛み合わせも悪いから、ゴライダーなんてが出てきても鼻白むだけだったし。

で今回の物語の重要なポイントに少年が出てくるんだけど、家族についての言及が一切ないんだよね。
親は?兄弟は?病院にくるまでに何があったの?
その辺りを全く描かず、ぼくは別に治りたくない、って発言だけに反応する、ってどうなんだろう。
例えば両親を不幸な事故で亡くした、とか、逆に両親から酷い仕打ちを受けていた、とかがあるなら、治りたくない、って言葉の意味も変わってくるじゃん。
そういう部分に一切触れず、現実も悪くないぜ、帰っておいで、みたいな展開は、欺瞞すぎると思うんだけどね。
そういう重い問題は限られた時間内で描くには無理がある、っていうなら安易にそういうドラマ要素は入れないで欲しい。
時間内で描けるものを考えて見つけ出してくるべきだと思う。

なんか良い風の話にしよう、って魂胆がムカつくし、安易すぎる。
ていうか、子供を舐めてると思うんだよね。
対象年齢は低いから、まぁこれくらいの話にしておきゃ大丈夫でしょ、みたいな。
志が低いよね。

確かに限られた制作時間、予算、などがあって大変だとは思うんだけど、だからこそ、どこに時間を割き、どこに予算をかけるか、っていう作り手側の創意工夫が重要になってくると思うんだけどね〜。

たくさんのヒーローが大活躍するお祭り映画なら、もっと能天気で楽しいものを作って欲しい。
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