改めて考えてみると、日本の幽霊、お化けの類はそれぞれ個別の容姿を持ち、つまりはアイデンティティを有しており、本作のGHOSTの様に記号化された表現が無い様に思うがどうだろう?
個別の容姿を失したGHOSTは恋人の退去を起点として、子供を怖がらせたり、ニヒリズムの説法にブチ切れたりしていたが、住民の入れ替わり(=時の流れ)と共に行動と存在の理由を失ってゆく。
俺が予想しなかったのは、最終的に時間の概念も失してしまった点。
まさかの展開で面食らったが、なるほどGHOSTの世界にはそんな事もあって良いだろう。
過去から得たヒントを元に己の目的を思い出したGHOSTはそれを果たすと共に無事昇天、したのか?
これ観て思ったが、目的、他者との交わりがアイデンティティの形成に不可欠という点に於いて、GHOSTと生きてる人間はさして変わらないのではないか、てこと。
淡々と描いている様だが、その目線で語られるストーリーは、壁に煌めく反射光の様に温かみがある。
A GHOST STORY.
全てのGHOSTが在るべき場所に還れれば良いな、等と思う。