きき

夜明け告げるルーのうたのききのレビュー・感想・評価

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)
5.0
ポニョって感想の方がたくさんいますが、人魚や魚モチーフ、海を扱う作品の為かぶった印象を受けても仕方ないと思います。私はポニョは全く出てこないで、不思議な世界観に新鮮な気持ちで観ました。
町に辟易してる主人公・海や、甘やかされ自分の事を主人公と信じて疑わない自己中心的な少女、人に流されて生きる少年が、純真無垢な人魚のルーの生き方に触れ成長する物語だと思いました。アニメーションの美しさも去ることながら、歌の使い方も素晴らしかったです。

太陽の熱の下、ルーの父親が焼けながらもルーを助けようとする姿はハラハラし、恋人を人魚に食べられたと長年思い続け恨み続けていたお婆さんが最後に若かりしころの恋人に会えて、「なんでもっと早く来てくれなかったのか(もっと早く真意を知りたかった、会いたかった)」と言い、「一緒に(いきて)行こう」と言われるシーンは、ずっと忘れません。ただ主人公・海の母親の描写は必要だったかな?母親の海に残すモヤモヤ・存在感が薄いなと思いました。
映像が本当に美しい、私は好きだな、と思った作品でした。
きき

きき