ポンヌフ

ワイルドライフのポンヌフのレビュー・感想・評価

ワイルドライフ(2018年製作の映画)
4.1
私と夫が仲が良いときは、子供たちはニヤニヤしながら側にいるけれど、声を荒げて喧嘩をしていると、その飛び火が自分に来ないように、さーっとお片づけをしたり、さっさと自分の部屋に逃げて行ったりする。

そして次の日には、ママのあの言い方もひどかったよとか偉そうにアドバイスして来るし、やっぱり仲良しの両親の近くでだらだらしているのが一番落ち着くのだろう。


私の親はたまーに喧嘩するものの、両親とても仲が良く、一方夫の両親はいつも喧嘩ばかりで離婚。そのあと母親一人で子供たちを育て必死に生き抜いたのを、夫はずっと目の当たりにして来たようだ。

夫と一緒に観に行ったこの映画も、見え方が大きく違う気がする。

もし今夫と死別したり離婚したりしてしまったら、私一人でどうやって育てて行こうかたまに考える。でもどうしたって大変だし、誰かに寄りかからないと無理な気がする。女の人の武器にはもう自信が無いけれど、、、。

前半のすごく仲の良いときから、どんどん険悪になっていくのを見て、ああ、なんかリアルだなーと。

うまくいっているときは、お互いが良い人を多少は演じているし、その関係を保とうとする。
でも、すごく疲れていたり、生理前だったりすると、嫌な部分だけがすごく大きく見えて、それに全てが飲み込まれていく。
そしてまた波が引くように少しずつ関係を戻していって。

ずっと14歳の息子の視線で映画が描かれていたけれど、いつかまた関係が戻ってくれるのを期待しないようにしつつも、期待しているのかもしれない。

雪が降り始めてダッシュで家に帰ったシーン。久しぶりにお父さんに会って飛びついたシーン。

そして最後の写真館のシーン。

じーんと胸が熱くなりました。
ポンヌフ

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