やぎ系

羅生門のやぎ系のレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
5.0
無駄なものや甘さは一切なく、真実っていうもののあやふやさとか、人間のエゴを冷静に描いて見せたという印象。観賞後に思わず「これが世界のクロサワか…!」って口に出てしまってた。これは凄いや。

自分を良く見せるために嘘をつくのが人間、自分さえ良ければ他人を蹴落とすことをいとわないのも人間。
人間とはかくも汚れたものかと絶望した旅法師に、ささやかな希望を見せるのが「俺は人間が分からねえ…」としか言ってなかった、学もあまり無さそうな市井の人っていうのがねえ…もう最高。

60年以上前の作品なのに、今観てもとても面白い。本当の名作に触れられて幸せです。
やぎ系

やぎ系