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キャットファイトのYSKのレビュー・感想・評価

キャットファイト(2016年製作の映画)
4.2
最高にシニカルで最高にブラック、そして最高に面白い!
いい大人がみっともないケンカを繰り広げるなんててっきりイタリアかフランス産の作品だと思ったらまさかのアメリカ!何だよやればできるのかよ!

かつて大学でともに学んでいた、軍事産業の幹部と結婚し裕福な暮らしをしているヴェロニカと、売れない画家として試行錯誤しながらアルバイトで日銭を稼ぎ日々を暮らすアシュリー
ある日ヴェロニカの自宅で開かれたパーティにケータリングスタッフとして参加したアシュリーは久々に再会したヴェロニカと些細な言い争いが掴み合い殴り合いと発展し、挙句渾身のチョークスリーパーで意識が朦朧としたヴェロニカは階段から転落

そして2年後、なんとあの日から2年間意識が戻らず寝たきりだったヴェロニカが目覚めるも夫は事故死し会社は解散、愛する息子は戦争に赴き母の回復を祈る毎日を過ごしながら亡くなったと知る
大きなショックを受けながらも懸命にリハビリをこなすヴェロニカだったが、眠り続けていた2年のうちにアシュリーが画家として大成したことを知る…というお話

言ってしまえばおばさんとおばさんが恥も外聞もなく殴り合うただそれだけの作品ではあるものの、天丼のように繰り返す笑いあり、たびたび現れるおならおじさんあり、到底シロウトとは思えぬキレのある殴り合いのバックでオシャレで軽快なBGMや最後はまさかの「星条旗」に聞き惚れながら眺める殴り合いは本当に面白い!

戦争を皮肉り批判する側面もあるのでしょうが、そんなことは大事の前の小事に過ぎません
例え世界がどう動きどう変わりどう終わろうとも目の前に憎い相手がいたら最後に役立つのは両の拳しかありません、まさに力こそパワー!

さらに言えばアシュリーにパワハラを受けていたサリーちゃんがかわいいしかわいそうだしかわいいし性格悪くて最高でした
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