ホラー映画の金字塔「サスペリア」のリメイク
バレエカンパニーとそこに巣食う魔女、そこに新たに立ち入るアメリカからの少女というオリジナルの構図を取りつつも映像美と新たな舞台、構成でラストまで目が離せなかった。
ポスターに現れているように、赤色が要所要所で画面の中に現れてはハッとさせられ、また悲痛な印象に心が引き裂かれる心持ちに。
という、表面上に見えるストーリーと共にその背景に描かれた複雑な世界の写し取りとも言えるような、より大きな隠喩について自分なりに解釈できた時にこの映画のより広範な美しさを感じた。
特に物語終盤にある舞踏シーンは圧巻。
画面だけが主張してもいけない、背景のメッセージだけが走りすぎても興醒めする。曖昧な情報の取り扱いがとても素晴らしい。
どこまでも深読み出来るし、そうせずともティルダスウィントンとダコタジョンソンの美しさだけでもみる価値あり。