不幸せそうな十和子は幸せだ。孤独に見える十和子の側にじんじがいた。
一見、〇〇そうに見える人の事実は異なる場合がある。私はよく「真面目そう」とか、「優しそう」とか言われる。真面目すぎてもつまらないし、優しずきると人になめられるのではないかと心配する。私は他者からの評価を気にしているのだ。
十和子は違う。自分の思うままに生きている気がする。確かに、“かわいそうな女”のレッテルは貼られているが、じんじが守りたくなる気持ちも分かる。不幸せな女に見られないための努力もしていない。飾ってないところが十和子の良さかもしれない。