彼女がその名を知らない鳥たちの作品情報・感想・評価

彼女がその名を知らない鳥たち2017年製作の映画)

上映日:2017年10月28日

製作国:

上映時間:123分

3.9

あらすじ

八年前に別れた男・黒崎を忘れられない十和子は、今は15歳上の男・陣治と暮らしている。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治を激しく嫌悪しながらも、彼の稼ぎで働きもせず日々を過ごしていた。ある日、十和子は黒崎の面影を思い起こさせる妻子ある男・水島と関係を持ち、彼との情事に溺れていく。そんな時、家に訪ねてきた刑事から「黒崎が行方不明だ」と知らされる。どんなに足蹴にされても文句を言わず、「十和子のためな…

八年前に別れた男・黒崎を忘れられない十和子は、今は15歳上の男・陣治と暮らしている。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治を激しく嫌悪しながらも、彼の稼ぎで働きもせず日々を過ごしていた。ある日、十和子は黒崎の面影を思い起こさせる妻子ある男・水島と関係を持ち、彼との情事に溺れていく。そんな時、家に訪ねてきた刑事から「黒崎が行方不明だ」と知らされる。どんなに足蹴にされても文句を言わず、「十和子のためなら 何でもできる」と言い続ける陣治が、執拗に自分をつけ回していることに気付いた十和子は、黒崎の失踪に陣治が関わっているのではないかと疑い、水島にも危険が及ぶのではないかと怯え始める――

「彼女がその名を知らない鳥たち」に投稿された感想・評価

BoneKing

BoneKingの感想・評価

4.1
予言します。この映画見終わった直後、あなたは相当量の水を飲んでしまいます。

後半は喉が渇いてることを忘れて映画に没頭し、終映後にやってくる壮大な「うわぁ」の後にやっと喉が渇いてることに気づかされる、そんな作品。え?

【ザッと内容】
本当簡単に汚い言葉で言うと、残念ビッチと一途底辺ボーイの行動の裏にある闇のクセがすげぇ!っていう話。
阿部サダヲ演じるジンジと暮らすトワコ(蒼井優)。ジンジはトワコの跡をつけてしまうほど彼女を愛しているが、トワコはそうでもなく、松坂桃李演じる水島と不倫関係になっていく。トワコはどんどん本気になっていくが、水島は遊びでしか付き合ってくれない。そんな中トワコは元不倫相手の黒崎が消息不明ということを知る。同じ時期、水島にも嫌がらせがあることを聞いたトワコはジンジが関わってるのでは?と勘ぐり出す。。。ジンジやトワコの行動の裏に何があるのか!?

【こんな人にオススメ】
・「うわぁ」映画が好きな人
・最近オモロい邦画ないなぁと悶々してる人

【感想】
エグい。原作者は相当クレイジー。刺激強すぎて終わったあとちょっと放心状態になるが、逆に言えばそのくらい夢中になれる作品。ここ最近の邦画では個人的にはかなり上位。
ただ、結局何が言いたいんじゃ!感は強い。登場人物の感覚がぶっ飛び過ぎてて、「女性関係だけはしっかりしといた方が身のためだな」以外は受け取るものなかった。
蒼井優と阿部サダヲの演技力には脱帽。
あずみ

あずみの感想・評価

3.5
まず、早くも今年のおれ的アカデミー助演男優賞が松坂桃李に決定してしまいました
これまであまり注目していなかった彼を、初めて意識した
とにかく今作の松坂桃李は存在感がある。竹野内豊かすんだ

十和子と陣治の関係は、ほんとに夢のようだった
最後の台詞がしゅわーっと溶けていった

いい映画でした、さすがクロックワーク
びーち

びーちの感想・評価

4.2
自堕落な生活をする女と献身的に彼女を養う男の話。卑屈なほど女に尽くす男は不潔でうだつが上がらず、女はそんな男を毛嫌いし、5年前DVを受けた末に別れた男が忘れられない。そしてその一方、新たに同種の男と付き合い初める。彼らは二人とも二枚目で、言葉巧みで、結局女を弄び喰い物にする下衆である。女は彼らに振り回されながらも、それでもついて行こうとし、そんな姿を男は不憫に思う。そしてある日、事件は起こる。登場人物が皆最低で不快に思う一方、リアルに感じられるのが現代人として辛いところだ。
たま

たまの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

松坂桃李がとにかく薄っぺらかった。
どうしてラスト死ななければならなかったのか。
蒼井優にみんながしきりに子どもをもたせがったのはなぜか。
どうしよう。
あたしはこれを
愛と呼べてしまう
かもしれない。

うー。
誰かと話をしたい…(..)
菓子庫

菓子庫の感想・評価

3.6
平々凡々と過ごしている四十代のパート主婦が、見終わって思ったことは、人と人の出逢いって凄いんだなって。

なんでこの男?この女?って思うわけだけれど、実際に出逢っちゃうのは自分の生き方?
なんだろう、うまく言えない、境遇、孤独とかあるのかなぁ。
この人じゃなければならない何か。

これから十和子はどう生きるんだろう。
誰かに教えられるように映像や文章では読みたくない、心の中でぼんやり想像したい映画でした。

+キレイな柿ピーでした。
さわら

さわらの感想・評価

3.0
あまりに自分とチューニングが合っていない映画で、たいへん見苦しかった。というのも個人的に、「守られたい系女子」よりも「守ってあげたい系男子」のほうが厄介だと思っていて、本作の陣治こそまさにそういう奴だった。普遍的な話ではないにせよ、「女性=弱い=守ってあげたい」という前近代的な女性観に妄執された陣治に、あんぐり口が開きっぱなしだった。
白石和彌監督自身、きっと本作に共感してほしいなぞと思っていないとは思われるが、前作『牝猫たち』からのスタンスの変わりっぷりには、本作の製作過程も踏まえ興味がある。

そんな陣治の壊れっぷりもすごいが、その他男たちの壊れっぷりもすごい。松坂桃李はいい役だったなぁ。タクラマカン砂漠の薄っぺらさがほんといいし、内腿なめつつ十和子の反応を窺い見る下衆な目もすごくよかった。

本作の唯一の正常者と思われる十和子の姉が、実はもっとも異常に歪んでいて怖かった。寿司食いながら、あんな山盛りの豚足食わんよ。それをかぶりつく陣治も陣治で、そしてまたそのシーンでくちゃくちゃ意図的に音を拾ってるであろう白石和彌監督の人の悪さにさらに慄いた。

あぁ、恋してぇなぁ。
はち

はちの感想・評価

4.6
いや、これホラーじゃん
ホラー!怖い怖い


って思ってたら
まさかの……純愛?


まさに役者陣の迫真の演技のお陰と
言うべきか、途中はもう怖い!笑
阿部サダヲ怖い!内に秘めたヤバイの持ってそうな顔にしか見えない!
嫌悪感も凄い!笑
あんなに尽くしてくれるのに、クチャクチャ鳴らす食べ方に、靴下、足のゴミ、ガサガサ感でどうにも生理的に受けつけ難い。顔もなんであんなに汚いんだ!笑
十和子が身勝手で陣治にあたるのを見てもちょっと十和子側の気持ちも分かってしまう…。
蒼井優演じる十和子も昔の恋人を引きずりながらも誰かが近くにいないとだめで、陣治のことを嫌悪しながらも別れることはしない。こういう人いるなー。クレームを入れてたデパートの水島がイケメンだったのを見て部屋を片付けちゃったりと絶妙なイタさ。机の上にゴミやら空の容器やら置いてあるのを見ても心の余裕のなさが分かる。ちょっとした声音とか表情とか、どこか他人事のような、ちゃんと根をはって生きていないような…。この役はこの人で本当に良かった。
そして水島!浅い!見事なあっさい男でした!笑


途中本当に気持ち悪くて怖かったのに二人ですき焼き食べてるとこ見たらなんか泣いてた…


ある意味最強?無償?の歪な愛。やっぱり生活を共にするって大きなことなのかも。こういう恋愛映画もあるのか…っていう
究極の愛とは何かを問い掛ける物語。原作未読。

現時点で好きな監督の一人である白石監督なために凄くワクワクしながら鑑賞するが、序盤の陣治(阿部サダヲ)の食べ方がガサツと言うより下劣極まるな食事描写を映像的に見聞きすることは、ホラーやグロ映像を見るより耐えられなく、不快極まる。イヤミスなので心象的に不快にしてほしかった。

クズな性悪女の十和子(蒼井優)が下劣極まるダメ男の陣治の稼ぎに依存しながらも、ゲスな妻子持ちで二面性のある水島(松坂桃李)と不倫関係になり、八年前に別れたクズな黒崎(竹野内豊)を忘れられない、登場人物が全員クズな凄い設定なのだが、其々の男性に対し全く違う仕草・表情・声を棲み分ける繊細で巧みな女性描写が秀逸。

濡れ場シーンでの隠し方は、これまでの邦画での問題点をあっさりとクリアする出来栄えで、同時にキャラの特徴・本性・意思を理解できる演出により、浅薄な男たちの対比が分かりやすい。

また、十和子の過去賛美的な美化された回想や、現実逃避的な妄想や幻想による描写が後に生かされるプロットの構築も良く、黒崎との海岸での回想の「眺め」と水島とのラブホテルの天井から砂が降り注ぐ「動き」の幻想的なシーンの過去と現在の時間の系譜を辿るメタファーの対比も効果的で、更に砂は十和子の深層の変化にもなるメタファーに唸らせられる。

陣治に充てられた照明は緻密に計算されており、心の闇と時間が顕在化する瞬間を映し出すようで恐く、作品を通して映像的演出が冴えまくる。

狂気じみ面がある十和子と理解しがたい愛を注ぐ陣治。その愛の欠落した歪んだ同棲生活は十和子の寄生によるものかと思いきや、終盤の展開で共依存的関係が転移する。終盤の展開とオチがわかったのでイヤミスと呼ばれる程のミステリーとサスペンス的なテイストはなく、陣治に1ミリも共感できないことから感動は弱かったが、それでも全てを包み込んだ人間の歪んだ究極の愛の形と真意に転換するプロットに、何とも言えない独特な後味で奇妙な余韻を残す。

愛の形の捉え方が究極的か狂信的に感じるかで、感動の度合いが異なるだろう。

抽象的な時間の経緯と、人間の心の闇に肉迫することで究極の愛を描写することにより、僅かな光を焙り出す世界観の映像化を見事に成し遂げた白石監督の手腕に敬服するが、生理的に無理な陣治の設定により作品との相性が最悪な結果になったことが残念。

鑑賞後に原作者が「ユリゴコロ」と同じ作者と知って納得。「ユリゴコロ」と同様に納得できないことも多いが、それでも浄化されていく不思議な気持ちになることは、作者の根底にある人間に対する愛なのかどうかを作品と同様に考えさせられる。
Shoya

Shoyaの感想・評価

3.9
登場人物の人生すべてに感情移入することはないが、その一瞬一瞬の判断だったり行動は案外リアルで、観た人もその共感を否定しつつ、心の中で実はハッとしていたのではないだろうか。

人間は欲深い生き物なのに、それを自ら認識することを拒絶する。自分以外の誰かにはある種の純粋さを求めて、その幻想に醜い自分を隠そうとする。

登場人物はみんな醜かったが、鳥のようにすべてを俯瞰して見れば自分も案外似たようなものなのかもしれない。
>|