弥太郎

彼女がその名を知らない鳥たちの弥太郎のレビュー・感想・評価

4.1

沼田まほかる原作の『彼女の知らない鳥たち』

原作未読で序盤はどんなストーリーなのか掴みづらく、陣治と十和子の何気ないシーンが続く。
時折見せる、陣治と十和子それぞれが持つ不快感、嫌悪感を交えながら警察が十和子の元へ訪ねたことを火種に物語が急展開していく。

監督が普段ドラマや、舞台、映画で演じるような役とは少しずれた役をやらせたかったと言っていた。この拘りはいい方向に転んでいた。阿部サダヲが阿部サダヲをしない、松坂桃李が松坂桃李をしない、竹野内豊が全然豊かじゃない。これらが最後まで物語の真相を予測させづらくさせ、後半巻き起こる展開に衝撃を受ける。

白石監督のユーモアとシリアスのあるアフタートークもさる事ながら、ラスト15分からエンドロールが流れ終えるまで衝撃とその反動による涙を流し続けた。
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