kakaka

ガルヴェストンのkakakaのレビュー・感想・評価

ガルヴェストン(2018年製作の映画)
1.0
組織に裏切られた殺し屋と、行きがかりに助けた売春婦の少女の逃避行。

映画が始まって、ずっと続く創意の無い凡庸な画作りと冴えないカメラワーク。殺し屋のロイがプロフェッショナルなのか、それともただの構成員の1人に過ぎないのか、まず彼のキャラクターを決定づけるカットやエピソードが無いので、ずっとイライラするし、終いにはただの平凡ななおっさんにしか感じられない始末。
ヒロインのロッキーも悲惨な背景を持つ境遇にも関わらず、妙に明るい。
彼女を何が何でも救いたいと思わせる理由付けは無く、強引にデートエピソードで二人の関係性を描こうとするので、まったく感情移入出来ない。
エル・ファニングは他作ではもっと自然に演技を見れたが、本作はかなり酷い。これも監督の手腕か。
ついでにロッキーの連れてくる幼女も人形みたいで感情に訴えかけて来ない。
仮に生きるか死ぬかの明日をも知れない生活を送って来た男が、少女たちのむき出しの命に触れ、彼女達を守りたいという生きる意味を見つける、的なステレオタイプの物語を回避する新しい物語を描くのかと思えば、ラストシーンを見てそれも違う。
冷静にどこが駄目なのかが分かる、教本のような映画とさえ思える。
昨年のビューティフル・デイがいかに素晴らしい作品だったのかが、改めて再認識される。
映画監督という存在は、映画にとってどのように作用するのか、とても勉強になった。
kakaka

kakaka