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「ガルヴェストン」に投稿された感想・評価

bluesmoke

bluesmokeの感想・評価

4.0
なにも肉体関係にかぎらず、性(セックス)を深く体験することは、つまるところ生と死の交換を体験することかもしれない。そのことをこれほど詩情豊かに描きえた作品は、あまり多くはないように思います。

あくまでも生きている意識では…という注釈つきですが、生が幸福を死が不幸を、必ずしも意味するわけではない。

監督はメラニー・ロラン…ってあの美人さんの?と、はじめ驚きました。女優としての代表作は『オーケストラ!』(ラデュ・ミヘイレアニュ監督, 2009年)で演じたヴァイオリニストかもしれませんが、僕にとっては『人生はビギナーズ』(マイク・ミルズ監督, 2010年)で素敵だったユアン・マクレガーの恋人役。

グレタ・ガーウィグもそうですが、こういう感覚の女優/監督の活躍はほんとうに嬉しくなります。

クライム・バイオレンス作品としても上質だと思うのですが、本作全体にわたって流れる詩情は、やはり「性=生と死の交換」を本質的につかんでいるからだろうと思います。方向性は異なりますが、北野武(Takeshi Kitano, 1947-)作品にも通底するような深みがあるように僕は感じます。

それは寡黙さにも表れています。言葉数の少なさがとても効いている。

例えば、作品冒頭の銃撃戦のでは、急襲と銃声によって主人公ロイ(ベン・フォスター)の聴覚が正常でなくなります。主に戦場を描く際などに用いられる演出かと思いますし、目新しいものではありませんが、単なる臨場感という意味以上のものを感じさせてくれます。

その演出は作品ラスト近くの山場で、ロッキー(エル・ファニング)を救出するために洗濯工場のなかをさまようシーンにも表れています。元は職場であったにも関わらず、不器用に不要量に、ロイはそのなかを手探りするように進みます。

優れた作品は必ずと言っていいほど、暗喩(あんゆ:メタファー)として、僕たちの生の感覚を何か別のものとして象徴させます。八方塞がりのなかを不器用に不要量に、絶望的に進むロイの姿は、僕たちのそうした生の実感を雄弁に物語っているのではないでしょうか。

また作品はじめで、あることに絶望したロイの最終的な顛末もよく効いていますし、作品が進むにつれて、彼がほんとうに望むに至ったこととその結末も、大人の味わいに満ちています。さらに素晴らしいのが、映画のラスト。

ある世代のある男とある女。

性を通した生と死の交換が、断絶されながらも次の世代へと彼らの自意識の外側で受け継がれていく。それがどのような手触りなのかを、この映画は巧みに描き出しています。

僕がこの映画を生理的に深く受容する理由は、自分なりに精一杯、妻を見つめ子供を見つめる体験を進行しているからかもしれません。

どこか一筆書きで、暴力(バイオレンス)の向こうにある性(セックス)のリアルを描き切ったようなこの作品に、雲間からこぼれる冷ややかな冬の日差しのような視線を感じたのは、まぎれもなく監督(メラニー・ロラン)のものでしょう。

スリラー作品といえばそうかもしれませんし、純粋にエンターテイメントとして楽しめる作品ですが、描き出されたこの独特の感覚は、北野作品や、あるいはサイレント・マジョリティをモチーフにし続けているアレクサンダー・ペイン監督の作品に近いように思います。

それは、貧困から脱出することの難しさ…といった生焼けのストーリーではなく、もっと奥にある、メラニー・ロランという人が抱えている深いモチーフがあるように思えてなりません。

さらなる監督作品に期待が高まりますし、僕はきっと観ようと思います。
anguish

anguishの感想・評価

1.0
■え、これわざと外してんの?病に冒されボスに嵌められた男がなんとか返り討ちにした場所で少女に出会い共に逃亡するとなれば神経すり減らして日影の身で着の身着の儘の根無し草でも明日を夢見るロードムービー…って思っていたら暢気にタバコぷかぷか、お酒グビグビ、ロイはヘタレすぎて痛い子、そら見つかるわ。ジョンとか言っていたのに普通にロイって呼ばれているし女々しく逃亡中の身で昔の女に会いに行って袖にされたので女を買ったらEDだったりってわしは何を見せられとるんじゃ、最後の見せ場もブラックアウトって。20年後とか3歳の時の記憶があるとか○ねて来るとか、逆でしょ!そもそもロイとロッキーが依存する要素がなくない?

20200526
aktk666

aktk666の感想・評価

3.8
この悪夢がいつか終わると信じていた

裏切り者を神は裏切った

真実は胸に秘めておこう

嵐がすべてを洗い流すその時まで


余命幾ばくもない殺し屋と若き娼婦の逃避行にハッピーエンドが待っているわけがない。なのにこの手の話に惹かれてしまうのは何故なんだろう?

ネタバレすると面白さ半減なので、未見の方はここまでで👋

娼婦役(といっても本当に娼婦だったのかは微妙)のエル・ファニングの真っ白な肌に青いビキニと紅いドレスが映えまくって眼に焼き付きました。やっぱりエル可愛い😍

エルの出ている映画はどれも内容がイマイチですが、本作はその中でもかなりの好内容。設定がありがちですが、なかなか捻りがあり最後の最後にクライマックスが来ます。素晴らしい幕引き👏

凄く悲しく救いのない話なので、元気な時に観てください。エル好きにはツライ内容ですがオススメです!

鑑賞方法:WOWOW
take

takeの感想・評価

3.0
オープニングは雰囲気がある。
嵐の中、窓をたたきつける木の枝。

アクションかと思いきや、ドラマのよう。
しかしそれが、しっくりこない。

娼婦役でも清潔感のあるエル・ファニングを観るのが救い。
hase3001

hase3001の感想・評価

2.5
組織に切り捨てられ、持病を持つ男ロイ40歳。
貧困生活で母親に見放され身体を売った女ロッキー19歳。

ロイのはまった罠に偶然ロッキーが居合わせてしまい二人の逃避行が始まる。

シンプルな中に切ない二人のよりどころが、あの海で過ごした時間だった・・・ただ、それだけの映画だけど。

ハッピーエンドとは思いえないけど、娘が最後に訪ねてくるシーンが男の最後の使命だったというのが救いどころだったのですね。

ラストシーンの愛くるしいエル・ファニングの笑顔が眩しいのと対照に、60歳になった男が嵐の中へ消えていく姿にも哀愁がありましたね。
tych

tychの感想・評価

2.9
Galveston 2018年 94分。1988年、ボスに嵌められたヒットマンと彼が咄嗟に助けた若い女の逃避行。緊迫した状況ながら、長閑な逃避行だったが、ヒットマンがボスを強請ったことから状況は最悪となる。特に盛り上がりも無く、つまらない凡作。
emi

emiの感想・評価

3.0
孤独で薄幸な二人がひっ迫した状況で出会い、お互いを必要としながらも残酷な現実が追い付いてしまう。裏社会と貧困を描いた暗く悲惨な話だが主演の二人が上手いので引き込まれる。
これは、どう呑み込めばいいのか………。
若干レビュー等も拝見し、スッキリでは無いんだろうな〜とは思って見ても、中々厳しい現実が……。

汚い仕事を生業にするロイ(ベン・フォスター)と、ロイが嵌めたれた現場に偶々捕われていたロッキー(エル・ファニング)の逃避行🚗
作品の評価とは別に、主演の2人は中々良かったかな。ベン・フォスターは個人的にチャラチャラしてる小物感満載の役(俳優)のイメージが強くて、この作品もキャラクター的にはそれに結構当てはまるんだけれども、なんだかいつもと違う雰囲気が出てたな〜。ただの加齢かな(^_^;)ちょっと太ったし(^_^;)
ダコタちゃんの妹、エル・ファニングも悲壮感たっぷりな中に、あどけなさと、少しの色気と、ロッキーを見事に体現。

ストーリーは強引で、中々スッキリしない作品なので、この手のジャンルが好きな人か、役者さんが好きな人じゃないとちょっと厳しいかもですね(^_^;)
当たり前だけど、役者の演技力は作品の価値を決定づけますね。死にかけのチンピラ ベン・フォスターと未成年娼婦のエル・ファニング の先のない逃避行。どっちもどん底の人生をリアルに感じさせる演技です。「イブの総て」といい、エル・ファニングは幸薄い美少女がハマりますね。監督は才色兼備のメラニー・ロワンでした。
山桃

山桃の感想・評価

3.2
メラニー・ロランがこんな男臭い映画を撮ることに驚いた。

ガルヴェストンという街の殺伐とした景色がよかった。
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