福福吉吉

アフターマスの福福吉吉のレビュー・感想・評価

アフターマス(2016年製作の映画)
3.5
建設作業員のローマン(アーノルド・シュワルツェネッガー)は妻子を迎えに空港に出かけるが、辿り着いた空港で妻子の乗った航空機が事故で墜落したことを知る。一方、航空管制官のジェイク(スクート・マクネイリー)はその航空機の管理をしていたが、墜落したことにより大きな自責の念に駆られる。
妻子を亡くなったことを謝って欲しいローマンはジェイクを追い、自責の念で精神が崩壊したジェイクはあくまで事故だとして精神的に立ち直ろうとする。悲劇は終わらない。

航空機事故の被害者(正確には被害者の親族)と責任者の事故後の顛末を描いた作品となっており、かなり重い作品になっています。しかし、ローマンとジェイクのストーリーを交互に描いていくため、絵面的な変化もあって最後まで飽きることなく観ることができました。

ローマンは妻子を愛する一般的な父親であり、静かながらその悲しみが尽きることなく彼を孤独にしています。彼の悲しみを耐える姿は観ていてかなり心を揺れ動かします。

一方、ジェイクは航空管制官としてミスを犯し、その責任に押しつぶされて精神的に崩壊し、家族とも離れ離れになります。航空会社はジェイクを守り、ジェイクを責任から逃れさせようとします。ここで、会社として全て責任を負えば良かったのですが、会社としても責任を負う気が無かった。

航空会社がローマンに対して「16万ドルも払うんだから文句ないでしょ」といった態度がローマンを悪い方向に突き進ませます。このときが本作で一番腹が立った。家族を失って悲しむ父親にとる態度じゃないし、今こそシュワルツェネッガーのパワーで会社の連中をぶん殴って欲しかった。

本作を表すものとしてローマンが言ったセリフ「妻と娘に対して誰の口からも謝罪の言葉を聞いていない」がとても心に残りました。

ラストは少し不完全燃焼な感じがしました。

それでも良く出来た作品だと思います。

鑑賞日:2023年3月27日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
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