アフターマスの作品情報・感想・評価

アフターマス2016年製作の映画)

Aftermath

上映日:2017年09月16日

製作国:

上映時間:94分

3.3

あらすじ

建設現場の現場監督ローマン・メルニック(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、数か月ぶりにオハイオ州コロンバスに帰ってくる妻ナディヤと身重の娘オレーナを心待ちにしていた。待ちきれないローマンは空港に花束を持って2人を迎えにいく。しかし、妻と娘が乗っているはずのAX112便は到着する様子はなく、ローマンは別室に案内される。そこで空港の管理会社から衝撃の事実を聞かされる。それは、家族が乗った飛行機が…

建設現場の現場監督ローマン・メルニック(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、数か月ぶりにオハイオ州コロンバスに帰ってくる妻ナディヤと身重の娘オレーナを心待ちにしていた。待ちきれないローマンは空港に花束を持って2人を迎えにいく。しかし、妻と娘が乗っているはずのAX112便は到着する様子はなく、ローマンは別室に案内される。そこで空港の管理会社から衝撃の事実を聞かされる。それは、家族が乗った飛行機が空中で衝突事故を起こしたというものだった。飛行機の残骸が残る生存者なしの悲惨な事故現場を訪れ、娘の遺体を発見したローマンは彼女を抱きかかえ声にならない悲しみに暮れる。航空会社に対し、謝罪を求めるローマンだが、彼らの表面的な補償のみの心無い対応に憤りを感じる。納得のいかないローマンは事故の責任がどこにあるのかを突き止めずにはいられなかった。そんな中、事故には一人の航空管制官(スクート・マクネイリー)が関わっていることを知ったローマンは、「謝罪をしてもらいたい」という一心で彼の居所を突き止めようとする。

「アフターマス」に投稿された感想・評価

ジャケット写真の通り、巨大化したシュワルツェネッガーが、あご髭でジャスティン・ビーバーの載ったプライベートジェット機にイタズラしちゃうパニックムービーです!嘘です。意外なくらい誰も観ていないのをいいことに嘘をつきました。ここ何作かで、シュワルツェネッガーの主演作は無理して観なくてもよいのでは…みたいなムードが広がってませんか?不安。
…これは誰も観てない筈です。暗い…。
飛行機の接触事故で妻と娘を無くしたメルニック(シュワ)。事故発生当時の管制官のジェイク(スクート・マクネイリー)。二人のそれぞれの苦悩を並行して描いていきます。ニックは何の落ち度も無い100%の被害者。しかしジェイクも、ミスを犯したものの、小さな不運の積み重ねの結果による不可避の事故であり、彼もまた心に大きな傷を負わされた犠牲者でもあるのです。
2002年、アメリカの実話が元になっています。
かつての陽気な筋肉スターの印象は後退して、近年ではダークで演技派的な役も演じるシュワルツェネッガーですが、今作ではもはやアクションの要素はゼロ。始終トボトボと、暗く沈み込んでいます。今までのパプリックイメージとの落差に依るところも有るとは思いますが、心身共に弱ってしまっている彼の姿は想像以上に心に響きます…。
一方の管制官役のスクート・マクネイリー。あまり意識していなかった役者さんなのですが、冒頭の善良な一市民、善き家庭人の姿から、自らの犯した罪によって心を悪くしていく姿。非常にリアリティが有り、観ているこちらも冷汗が浮かんできます。他の役も見返してみたいなと思いました。
前半、物語の展開は実話物ならではの地味でアクシデント性の低いものなのですが、それ故に後半の全く想定外な出来事には本当に驚かされます。
終盤の畳み掛けから浮かび上がる作品のメインテーマにも大いに心を打たれましたが、それとは別に印象に残ったのは、“信頼”と“責任”の有り様についてです。生活インフラや交通機関の、果たして何を持って我々は信頼し身を預けているのか。有事の際に責任を取ってくれる人の顔が見えもしないのに。そもそも責任の取り方とは?自分は何かの責任を負っているのか?…など、まあ考えてもキリがない事ですが、いろいろ頭を巡っちゃいました。
ヘヴィな社会派作品なのでどうしても観る気が起こりにくいという方に、オススメポイントを1つ。シュワルツェネッガーが全裸にシャワーキャップだけを身に付けた姿でのシャワーシーンがあります。まるで田亀源五郎先生の描かれるエロティックアート、或いは滝にうたれる岩の様でしたね…。絶景!おススメです!
asuka

asukaの感想・評価

4.0
わざと!じゃないの。
ちょっとしたボタンのかけ違いがこんな風に大きな事故につながることってあるよね。
それを改めて実感することができた作品。
私も気を引き締めていかなあかんと思った。
しかし、どちらの立場になってもきつい話やなぁ。
JACKMAN

JACKMANの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

実話を基にしている。
あまりそこら辺が詳しく描かれていないが、誰が悪いのかが不明確なまま終わってしまった事件である。遺族が釈然としない気持ちは分かる。
ただ、実際に不幸な偶然が重なって起きてしまった事故でもある。
管制官のミスと言えばミスだが、相方の休憩中は一人で対応しなければならない状況にあった(会社側の規則違反)。また、当時は、管制官の指示と空中衝突防止装置(TCAS)のどちらを優先すべきか規定がなく(現在はTCASが優先)、パイロットが管制官の指示を待たず(管制官の返事がなかったからだが)にTCASの指示に従ってしまった。
個人の責任を認める事は会社の責任を認めることにもなるので、管制官も自分が悪いとは言えなくなってしまう。
管制官も自分で罪の意識は感じていたし、妻とは別居となるし、名前と住む場所、仕事を変えて生活しなければならず、十分過ぎるほどに社会的制裁を受けた(そもそも一人で対応させていたことが無理)。
以上の様に深刻な題材ではあるが、映画としては微妙な仕上がりだった。
ヒューマンエラーが重なって起きた事故であろうノンフィクション作品。

シュワちゃん年をとったなぁというのが第一印象。
アクション以外で見ることは少なかったが意外とはまり役であった。

復讐心というものは突然沸々と沸いてくるものである。
たった一言が人を救い、たった一言が人を殺す。

家族を失った主人公の無念さ、悲哀さを見事に演じきっているシュワちゃんに拍手。
主翼ごしに空が反転してく映像が忘れられない。スクートマクネイリーいつ見ても死にそう。
主人公二人のどちらの立場になって考えても辛すぎる

一人はある日突然愛する人を皆亡くし
一人は取り返しのつかない事故の責任をほぼ自分に押し付けられて

もう、この二人のどちらを見てもいたたまれない
誰が絶対に悪いって訳じゃなかったし…
「俺は、悪人じゃない…」
この台詞が一番胸に突き刺さった
「僕は善人だ!」というセリフが忘れられない。

誰しも管制官のような窮地に陥る危険は抱えているよね。

つらい話だけど、ものすごくよくできた映画。ソリッドに丁寧かつひそやかに心の動きを追い、全ての展開にそうなるよな、そうなんだよと思わせる演出。とても悲しくツラいだけで終わらない確とした結末。大快作じゃないですか。
davidmann

davidmannの感想・評価

4.0
戦慄したのが主人公2人の人生最悪の悲劇があまりにも静かに訪れてしまう前半。1人はるんるん気分で家族を迎えに来た空港で突然‥。1人はいつもの職場でいつもの平穏でリラックスした空気の中突然‥。なんの救いもなくただただ時間が流れていくだけ。危機一髪の逆転劇もなければ助けてくれるヒーローも奇跡もやってこない。特に管制塔のレーダーから消えた瞬間の、あの血の気が引いて睾丸ぎゅーっな感じがもう怖くて泣きそうになる。過剰な演出が一切なく静寂の中で起こる事なので凄くリアル。その後の航空会社の好意的に見せかけた残酷な対応が主人公たちをさらに絶望に追い込むところもいかにもリアルでありそうだから感情移入して見てしまう。

日本版のポスタービジュアルのイメージはこの作品性と全く違う。海外版を踏襲して欲しかった。
被害者も加害者も種類は異なるとはいえ苦しみ悩むってことは同じで。被害様側からはただの謝罪を、加害者側は謝罪が非を認めることになるし罪悪感を消すためには謝らないわけで。その2人が会うとこーなるっていう結末しかないですよね。
ただし、それで面白いかどーかは別で。内容はイマイチでした。
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