ひろパパ

支那の夜 蘇州夜曲 前篇のひろパパのレビュー・感想・評価

支那の夜 蘇州夜曲 前篇(1940年製作の映画)
3.3
YouTubeにて。ひょんなきっかけで山口淑子の自伝『「李香蘭」を生きて』を読み、彼女の波瀾万丈の人生に興味を持ち、鑑賞。初めて満映の映画を観たが、当時の日本人が中国人に対して持つ優越意識、差別意識が端々に感じられ、一見中国人に対する理解を示しているように見える長谷川一夫演じる主人公の言動も、優越意識から来る「施し」的なものに見える。その意味で、今ではあり得ない当時の日本人、日本社会のリアルな感覚を感じることができる貴重な体験だった。

このような国策映画に数多く出演したことで、山口淑子は戦後危うく処刑されそうになるのだが、若気の至りとは言え、これらの満映映画に多く出演したことを彼女自身深く悔いたと言う。作品の内容や出来云々より、これらの作品が作られた時代の空気を知ることができる、一種の記録映画的な意味合いとして貴重だと思った。
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