めめめのめーさん

マザー!のめめめのめーさんのレビュー・感想・評価

マザー!(2017年製作の映画)
4.5
ずっとずっとレンタル開始を楽しみにしてた作品。

ブラックスワンの監督のやばそうな新作!楽しみ!って劇場公開を楽しみにしてたら日本での上映禁止になるんだもん。

戦慄のジョギリショック!と同じで、公開禁止になったんですよ、見れないんですよ、ってなると見たくなるのが人情なんだもん。


ブラックスワンがとってもよかったから、上記の公開禁止騒動も相まって、自分のこの作品への期待値はむくむくむくむく膨れ上がって、さぁどうなる!ってドキドキしながら見たけど、いやぁ〜…これはこれは…。


期待以上のヤバい映画で、開始早々からずっと不安な気持ちが消えなくて、最後まで強いストレスに晒されたままの121分だった。

もうずーっとずーっと「こんなことされたら本当に嫌だなぁ。ストレスで細胞が死ぬなぁ」ってことがただただ延々と繰り返される。
なんとなく、あぁこれってメタファーってやつだ、これを暗示してるんだな…ってわかるんだけど、「すげえ!監督頭いい!」って感心するような体力と精神が鑑賞後に微塵も残らない。
「やっと終わった…」って虚ろにホッとするだけ。


不条理で不快で、不条理で不快といえば悪名高き「ファニーゲーム」だけど、あれともまたベクトルの違う不快感というか、うまくいえないけど、「ファニーゲーム」が「わかる」不条理なら、「mother!」は「わからない」不条理だった。
だから「ファニーゲーム」のほうがまだマシってわけじゃないけど…。


ラスト30分くらいは特にひどかった。
あの音、あの映像…。
ずっと心に残ってたまに思い出しては気分悪くなるんだろうなってシーンが目白押し。

主演のジェニファーローレンスと監督は恋人なのだそう…。
そっか…恋人を使ってあんなシーンを…。よく撮れるな。
たまに創作に全てを捧げるキチガイみたいな天才がいるけど、この監督は間違いなくそれだわ…おぉ怖…。
劇中のセリフを借りるなら「なぜこんなことをする!」って感じ。

映画を全部見てやっとパッケージのイラストの怖さに気づいた。
ホーンデットマンションのエレベーターの中みたいな気持ち。
あぁあ…こうなってたんだ…あぁあぁ…ってぞくっとする。

なんでジェニファーローレンスはこの演技でラジー賞にノミネートされたんだろう?
それも含めて不条理で不快。