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カンブロンヌのひと言のmat9215のレビュー・感想・評価

カンブロンヌのひと言(1937年製作の映画)
2.5
1936年から1938年にかけての充実した多くの作品群の中にある中編。他の作品と同様にギトリのマシンガントークが炸裂し、中年女性や若いメイド(いつものジャクリーヌ・ドリュパック)との会話がテンポ良く進む。ただ、この実在の人物であるカンブロンヌに関わる古事を知らなかったので、面白さが分からなかった。

ちょっと調べてみると、ピエール・カンブロンヌはナポレオンを助けた将軍だった。ワーテルローの戦いで敗北が確定したときに英国軍に対して言い放った言葉が、本作の題名の由来だ。カンブロンヌは負傷して意識不明となって英国に護送され、看護を担当した英国女性と結婚している。本作では、その妻が夫に対して「カンブロンヌの言葉」が何だったのかを知りたがり、夫がそれを頑なに拒む展開だったと知った。

本作は、舞台で上演中の演目を映画としたらしい。一日で撮影され、小道具も舞台で使われたものをスタジオに搬入し、撮影終了後、その日のうちに舞台に戻されたそうだ。題材となった戯曲は劇作家エドモン・ロスタンからギトリに贈られていて、本作はロスタンに捧げられている。ロスタンは『シラノ・ド・ベルジュラック』の作者だ。ロスタンが没したのは1918年。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ピエール・カンブロンヌ
https://fr.wikipedia.org/wiki/Le_Mot_de_Cambronne
https://ja.wikipedia.org/wiki/エドモン・ロスタン
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