だいき

The Hornet's Nest(原題)のだいきのレビュー・感想・評価

The Hornet's Nest(原題)(2014年製作の映画)
4.7
まずこのドキュメンタリーは中立な目線ではなく完全に兵士側に偏った目線の映画だって言うことは間違いないと思う。

ただ製作者は徹底して部隊に密着取材していて、兵士と共に戦闘や兵士の死を身近に感じながら取材をしているので、ある意味兵士側に偏った映像である事にリアルを感じて自分にとってはネガティブなポイントにはならなかった。

同じアフガン戦争での米軍に密着するドキュメンタリーとしては『レストレポ』が有名だと思うけど、あちらが前哨基地を守る部隊を取材しているのに対してこちらは常に攻撃前進して敵を破壊・壊滅する部隊を取材しているので戦闘シーンはよりこちらの方が過激。

何も障害物が無い開けた地形で突如どこにいるかも分からないテロリストに銃撃やロケットで伏撃される所は緊張感も凄く、ただただ怖かった。

最後、仲間達が倒れていくにつれて共通して残す最後の言葉と、残された仲間達が皆何を思って戦地で戦うのかをついたシーンはやるせない気持ちにさせられてめちゃくちゃ泣けた。
『ブラックホークダウン』の最後、地元の友達に"フート、なぜ戦うんだ?"と聞かれていつもどう返答しているかを述べるデルタ隊員を思い出した。

欠点を述べるなら、映画自体はめちゃくちゃ良かったんだけど、これを配給した日本の映画会社がゴミだった点。
字幕は白昼の空にも白で表示されるからくそ見辛いし、軍事英語に拙い翻訳家を安く雇ったのか知らんけど、「師団」や「連隊」等といった部隊単位を表す英語を全て「隊」と訳していて規模が全然分からなかった。
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