えりみ

フェイク・ライフ 顔のない男のえりみのレビュー・感想・評価

4.5
WOWOWジャパンプレミア(日本初公開)枠。
久しぶりの当たりやったのに残念ながら次放送予定なし。
「裏切りのサーカス」に似たパッケージで特殊メイクが趣味?という主人公ながらスパイモノにあらず。めっちゃ地味な「ヘッドハンター」とでもいいましょうか。思わぬ話の展開とか掘り出し物感が、ですけど。
オープニングからして「あ~、よくある結末から始めるタイプのやつね」フフンと思わせといて…??!というミステリーとサスペンス両方あるので中身についてあまり触れられず。
但しめっちゃ地味デス、キャストも知らん人ばっかり・音楽で煽るでもなし・エロもグロもなし。色味も薄い。でもチャチい感じがないんですよねぇ、特殊メイクをする(素材を一から作る)シーンなどは映画業界では珍しくもないんでしょうけどギミックがいちいちそれっぽいし。一介の不動産屋がどこで技術と資材手に入れた?てのはおいといて(ホントのマニアはプロより凄い道具持ってるっていいますし)。メイクした人が演じてるのか本人が演じてるのか判然としないのも見入っちゃったポイント。この映画の予算どれ位なんやろ?

不動産仲介業に勤める42歳中肉中背独身男性セバスチャン。誰からも気にとめられず孤独な心を抱えて悩む~とあり「おみおくりの作法」の主人公ばりに独り夕食を摂るシーンもあるんですが、実は妹や母親もいて気にかけてくれてるんですよねぇ。孤独に悩むというよりは性癖に悩んでいるような。
性癖を隠すために空気のような存在になることを意識しているうちに孤独になり自己肯定出来なくてまた他人になりすまして欲求は満たされるがまた自己否定という負のスパイラル。
絵空事とも思えずに色々置き換えてみちゃいました。
あとは、不動産屋さんて確かに個人情報の宝庫やなと(*゚ロ゚)
えりみ

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