孤独と閉塞感を感じ悩む男。その一方で特殊メイクを用いて他人になりすます事に悦びを感じる男。いつもと同じく興味を惹かれた人物になりすます…そんな感じである著名なバイオリニストになりすますが…そこから男の偽りの人生に綻びが生じて行く。
あらすじを聞いただけで陰鬱な映画だと分かり好みじゃないなぁ…と思っていたら意外に見応えのある人間ドラマでした。自分もそうですけど孤独というのは自ら相手と線引きして孤独になっている部分が大きく何か小さい事でも他人の一言で「ああ自分は独りじゃないと思う事もある。」自分と重ね会わせて思う所が多々あった映画でした。
ただ元来がめんどくさがり屋なのでこの映画の主人公みたく他人になりたいとうような変身願望は無いですね。自分なら全てスルーします。スルー出来ない優しさが最後まで隠す事の出来ない本来の自分というのがこの映画のテーマなのかなと思います。あと犬の可愛さが際立っていました。