銀の森

29歳問題の銀の森のレビュー・感想・評価

29歳問題(2017年製作の映画)
3.7
働く女性たちにとても刺さる映画なのでは、と思った。
ワンはもうすぐ30歳になるキャリアウーマン。長く付き合っている恋人がいて、仕事では出世し順風満帆、と思いきや……というところからストーリーが動きだす。

最初の5分ほど、朝の出勤準備をする様子が映像的に面白く、劇画調に描かれる。大人数が顔パックする様子、何かをするごとに「会社行きたくない」と思うテンポの良さ、このシーンだけでこの映画に引き込まれる。
家を退去することになり、たまたま住むことになった家で同い年のティンロの日記を見つけ、そこから彼女の人生をたどっていく。

レコード屋で長く働き、幼馴染と遊び、自らの人生を楽しんでいるように見えるティンロ。ティンロの人生を知りながら、ワンは自分の人生を振り返っていく。直接は会っていないワンとティンロの同い年同士のコミュニケーションが、すごく、いい。なんでこんなに刺さるんだろう。
最後の展開はちょっとトリッキーにも思えたが、舞台が原作だということを聞いて納得したりもした。ワンがこちらに語り掛ける演出も舞台原作からきていた。この演出は映画にもはまっていてとてもよかった。
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