観客を一時間以上テレビの前に座らせようと思ったら、物語は1つだけじゃ不十分で2つ3つ同時に見せていく必要がある。ブライトは種族問題や警察組織の問題を入口に据えて、そこからワンドと呼ばれる強力なマジックウェポンの争奪戦を描くことで目まぐるしく様々な要素が同時進行していく面白さが素晴らしい作品だった。
特殊メイクやCGで異種族を描写する点も良いが、エルフの軽やかなアクション、オークのフルボッコシーン、街中の壁にメッセージとともに描かれたグラフィティが「この街は一筋縄じゃいかねぇごった煮状態だ!」と常に叩きつけてくるので全く飽きが来ない。
スーサイドスクワッドやフューリーで「定番の流れはあるけどそれを支える枝葉がテキトー過ぎね?」という感覚を持っていたが、今作は完璧に近い一作だった。