ルーク大佐

ファースト・マンのルーク大佐のレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
3.6
ずっとリストに入れたままにしていた作品。
大画面で集中して見る類の映画だ。音響や画面幅で鑑賞後の印象がかなり変わってくる。

タイトル『ファースト・マン』だが、アームストロングの名前は世界中に知られているのに〝セカンドマン〟バズ・オルドリンは無名に近い。なんとも皮肉な話だ。1番じゃなきゃダメ、2番はダメなのよ。

学生の頃、知の巨人・立花隆著『宇宙からの帰還』を読み、いたく感銘した。宇宙飛行士が地球帰還後、どのような人生を送ったかをまとめた名著だ。飛行士本人へのインタビューをもとにアメリカンヒーローの栄光と挫折、その後の日々を掘り起こした内容である。

そこでは、セカンドマンのオルドリンが赤裸々に鬱々とした日々を語っていた。第1の男になれなかったため、彼の余生が狂ったことを。

宇宙飛行士は引退後に、ビジネス界や政界、さらに宗教の世界に進んで第2の栄光を勝ち得る人もいる。
アームストロングもその一人だが、映画で描く彼はあまり魅力的な男にうつらなかった。それが文字通りのキャラクターならば仕方ない。

重いものを抱え込み、自己開示に消極的な性分だったのか。
アメリカ人ならば誰もが知っているヒーローなだけに
人間アームストロングの内面をもっと深堀りしてほしかった。
ルーク大佐

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